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かつて王室の狩猟場だった公園で、コンクリートにはめ込まれた状態で発見されたのは、謎の祭壇と上下逆向きの五芒星(ごぼうせい)である。逆向きの五芒星は悪魔の象徴として、サタニズム(悪魔崇拝)との関連が指摘されており、デビルスターと呼ばれることもある。
詳しく調査するために考古学者が呼ばれたが、到着したときには、それらは跡形もなく消え去っていたという。
誰が?いったい何のために?残されたミステリーに関係者は困惑している。
消えた祭壇と逆向きの五芒星
それが見つかったのは、スコットランドの首都エディンバラにあるホリールード・パークだ。昨年、スコットランド歴史環境局のレンジャーが地面に人がいじったような跡があり、そこから祭壇らしきものがのぞいているのを発見。掘り起こしてみると、コンクリートにはめ込まれた金属製の五芒星の飾り板が見つかった。
レンジャーはさらに詳しく調査するべく、考古学者に連絡。しかし専門家が到着したときには、それらの品は跡形もなく消え去っていた――。
由緒ある王室ゆかりの公園での不法行為
ホリールード・パークは、1128年にデヴィッド1世がホリールード寺院の狩猟場として設立した、由緒と歴史ある王室ゆかりの公園だ。当時、敷地内に建てられたゲストハウスは、やがて立派な王宮に改築され、ホリールードハウス宮殿と呼ばれるようになる。16世紀からスコットランド国王夫妻の住居として使われ、現在でもエリザベス2世の夏の滞在地だ。
その周囲はあまり人気がなく、何者かが人知れず何かを埋めることもできただろう。
だが、レンジャーが毎日見回りをしているために、そうしたことがあれば土が掘られた形跡はすぐに発見される。祭壇が見つかったのもそうしたわけだ。
歴史環境局は次のような声明を出している。
2018年、当局所属のレンジャーがホリールード・パークで地面が乱れた形跡を発見。そこから金属製の五芒星の飾り板が掘り返された。ところがその後、発見物は持ち去られてしまった。ホリールード・パークは指定遺跡であり、無許可でのこうした行為は刑法に抵触する。
Mystery as #pagan altar and symbol unearthed in Edinburgh’s Holyrood Park:
— Mark Rees (@reviewwales) 2019年6月22日
"It depicted two figures – a male with horns and a female in a surrender pose – set in a pentagram. The pentagram is a recognised symbol of paganism and also used in devil worship."https://t.co/8HR9wkmWoE pic.twitter.com/3F4WXjvSIz
祭壇と五芒星が消え、ミステリーだけ残される
祭壇と五芒星が調査されることなく消えてしまったために、結局は謎だけが残されることになった。これらについて指摘されるのは、異教徒やサタン信仰とのつながりだ。UKペイガンの代表を務めるマーク・ブラック氏は、五芒星に土・火・風・水の四大元素が描かれていることを指摘し、異教徒(非キリスト・非ユダヤ・非イスラム信仰)と関連しているように見えると話す。
また五芒星の近くにあったコンクリートで作られた三角形には、ルーンストーンがはめ込まれ、小さな人物像(その1つは、明らかに天使)が描かれていることも、異教との関連性を示している。
ただし、儀式にコンクリートを使用するのは、従来の異教には極めて珍しいことだという。異教では、儀式に木や石のような天然素材を使うことが望ましいとされているからだ。
私の知るかぎり、コンクリートに五芒星をはめ、しかもそれをそのままにしておく異教徒はいません。異教徒なら、儀式を行った土地を元どおりにしたでしょう。(ブラック氏)
Satanic Plaque and Altar Unearthed in The Queen’s Holyrood Park in Scotland
サタン信仰説
サタン信仰との関連を指摘する意見もある。「エンシェント・オリジン」というサイトでは3つの理由を挙げて、異教徒とは無関係で、サタン信仰の気配が窺えると述べている。最初の根拠は、先ほど述べた天然素材を使っておらず、代わりにコンクリートを利用していることだ。
2つめは、五芒星も祭壇も古代の品ではないことだ。それらが発見されたのは土の表面に近いところからで、おそらく古いものではないだろうし、五芒星の見た目も新しいものに思える。
3つめは、星の向きだ。もし五芒星が、頂点の1つが上を向くように置かれていたのなら、それは四大元素を統べる精霊を表している。
しかし公園で発見されたもののように、2点が上を向くように置かれていたのならば、それは悪魔のシンボルで、物質が精神に勝利していることを表す。また、それは悪魔のツノの象徴でもあるという。
VeraPetruk/iStock
もう1つの可能性
興味深い議論だ。しかし、もっとあり得そうな別の線がある。ただのイタズラという可能性だ。ちょっと人を驚かせてやろうと悪ふざけをした連中が、後になって犯罪であることに気がついた。それで慌てて、証拠隠滅のために現場に戻ってそれを持ち去った――。
あるいは不慣れで、物を知らない異教徒がふさわしくない場所にふさわしくないものを置いてしまった――。
いずれにせよ、これを行った者たちが、自分の行いを良くわかっていなかったのだろうということについて、ブラック氏も同意している。
References:scotsman / edinburghnews/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
昔々大昔
私は山に宝物のペンダントを埋めたことがあるのを思い出した
2. 匿名処理班
まあ悪戯でしょうな
3. 匿名処理班
悪ふざけ説は、元々埋まっていたものを何者かが掘り起こしたのではなく、穴を掘ってそこに新しい作り物を埋めたがすぐに持ち帰ったってこと? ところでなんで三角形の穴の形のままで土が掘り起こされてるんだろう? シャベルかなにかで少しずつ穴を掘ったというより、三角形にいっきに大量の土をガバッと持ち上げてそばに裏返しに置いてあるように見える。
4. 匿名処理班
クロウリーは生きている
5. 匿名処理班
イタズラにしては、やたらに凝った装飾だよなあ…
6. 匿名処理班
発見されたら、すぐに持ち去るなんて、
悪戯した人はこの場所頻繁にうろうろしてたのかな
7. 匿名処理班
ペロッ、
これは黒歴史!
8. 匿名処理班
俺が中学の時に彫刻して埋めたやつ・・・
9. 匿名処理班
王室ゆかり
ってタイトルで一瞬田村ゆかりの記事かと誤解してしまった
10. 匿名処理班
去年の5月に発見されて
今年の4月に専門家を呼んで調査しようとしたら
コンクリ製品(祭壇と五芒星)が無くなってた。
悠長過ぎるだろ。
11. 匿名処理班
サタニストが真面目か不真面目にかわからないが儀式でも行って祭壇回収し忘れて慌てて持ってったんじゃないかね
そういう儀式は反対エネルギーみたいなのを高めるために所謂聖地とか由緒正しい場所で行うらしいし
まあ効くかどうかは知らんけど
12. 匿名処理班
いたずらにしてはお金がかかり過ぎているんだよな。他の人も言っているように。
イギリス王室ってお付きの占い師が何人も居るらしいし、王室関係者で呪術的な意味で埋めたのを、ばれたから回収したとかだったりしてね
13. 匿名処理班
まずは警察に連絡してから考古学者なんじゃないかなぁ、現場の確保もしてないみたいだし、仮に遺構だとしたらなんで勝手に掘っちゃうかね、不手際が多すぎると言うか不手際しかない
14. 匿名処理班
写真からスケール感がよくわからない
どの位の大きさなのか気になる
15. 匿名処理班
しかし、どうやって「発見された」のを察知したんだろう・・・
16. 匿名処理班
これどうやって上下判断してるんだろ、天使側が上で頂点の1つが上向いてる様にも見えるとおもうんだが…
17. 匿名処理班
詳細が書いてないから分からないなぁ
掘り起こされたあと、荒らされないように埋め直すよね
それをしないでそのまま放置したとしたら愚かすぎる
18. 匿名処理班
ダヴィンチコード案件
19. 匿名処理班
埋めた理由は知らんけど、無くなった理由はただの盗難だったりして
20. 匿名処理班
何かが復活
21. 匿名処理班
勝手に鉄砲で遊ばないで欲しいなぁ。
お腹空いてるならともかくも。
22. 匿名処理班
そこの住民(獣?)にとっては王室の人たちがサタンなんだよなぁ。
彼らにはする必要はないのかもしれないけど、物の見方の転換をしたら悪魔は誰だよって話。