あなたの心がなごむとき~第66章
kohada.2ch.net/test/read.cgi/doujin/1328597814/803

803 なごみ sage 2012/04/26(木) 06:20:43.99 ID:Ey/jZXkj0
もう十年近く前のこと。 

昔から我が家の父は酒好きで、飲みに出かけたらべろんべろんになって、朝になるまで帰らない。 
お巡りさんに送って貰って来たこともあるような父で、当時まだ若く潔癖な部分もあった自分は
正直父が好きじゃなかった。 

それでも父子二人暮らしだったので、夏コミ前日に飲みに行こうとする父に、 

「明日は始発で一般参加だから、お父さんが帰ってくる頃には出かけてるよ」

と一声かけておいた。 

そして午前3時に起き出して、起き抜けのトイレへと向かったら、 
いつもは日が昇るまで返って来ない父親が帰って来てて、布団に包まって蓑虫になってる。 

それだけでも驚いたのに、家の導線上絶対空ける引き戸の前に袋がぶら下がってて、 
中を見たらまだ暖かいオリジンの鮭弁が入ってた。 

普段父が自分の本棚に手を伸ばして本を物色してると、 
「それはホモだからダメー」と言うと(´・ω・`)とした顔で手を放す。 
もちろん代わりに父にも読める推理小説やらファンタジー系を差し出してるけど、 
戸の前にぶら下がってるオリジン弁当の袋に父の愛を感じると共に笑い和んだ思い出話。 

 
 
87CLOCKERS 1 / 二ノ宮知子 

 

コメント( 0 )


 
★ ★