まどか「マミさんがおかしくなっちゃった」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 20:48:30.06 ID:vLwxsYZ/0

  ギ…………ギギ…………ギリッ…………

マミ「…………ッぅぅ……」

  ギッ……ギッ……ギッ……――――

金属が軋むような音が遠くで聞こえた。

  ギリギリ…………ギギギギ…………

マミ「ぅ…………ン……―――― ?」

締め付けるような音を次第に大きくして、マミの意識は深い眠りから覚める。

するとぼんやりと遠くに感じられたその不可解な音は、たちまち彼女の鼻から数センチ先に発現したような、
けたたましい絶叫となって聞こえてきた。

  ギギッッ――――マミさ――!―ギギギギッッ――マミさん!―――たす――ギギッ――け―――

マミ「…………な……に……?」

悲痛な叫びが、マミの鼓膜をガンガンと叩く。

うっすらとまぶたを上げた。自分の足が見える――素足だった。
ただしその足首には枷のような鉄の拘束具が付けられており、微妙に開脚する形で壁に縛られていることが分かった。

その少し浮いたマミの足元……まどろんでいたマミは最初、その床を覆っている物が、真っ赤なじゅうたんか何かだと思った。

違った。
鮮やかに床一面を浸していたのは、ゆらりと波紋を広げる血のたまり、血の池、血の海――――真っ赤な血液だった。


最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 20:54:16.20 ID:vLwxsYZ/0

 ギリギリギリ――――

 マミさ――た――すけ―――て―――………

キンキンと響く金属の音が、まるで人の声のように助けを求めている………とマミは思っていた。

しかしその考えが大きな間違いであったことに気付く。

視線は徐々に足元から正面へ、ゆっくりと顔を上げたマミが見たものは――

手足を大の字に広げ、それぞれの手首足首を巨大な機械にはめられている人間が――。

ギリギリとねじるような、締め付けるような音を鳴らして、
その巨大な機械に挟まれた様子が大げさすぎるように感じるほど小柄な少女が――。

胸を激しく上下させ、この世のものとは思えない絶叫を絞り出している未発達な身体が――。



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 21:00:02.58 ID:vLwxsYZ/0

マミの方へと首を固定され、汗と血に濡れたまぶたの下で絶望の瞳をこちらに向けながら、

手足がぶちぶちと引き千切られる痛みに顔を歪め、唇をわなわなと震わせて

つんざくような悲鳴を辺りに撒き散らしていた。

「いや!いや!いやああああッ!もう止めてええっ!!痛い痛い痛いっっ!!!
 肉があっ!肉が千切れるぅっ!!肉がっ肉がっ肉がっあああああああ!!!」

血の混じった涙を顔中に滴らせて懇願するように叫び続けるその少女に見覚えがあった。

「マミさん!助けてっ!痛いっ痛いのぉっ!!助けて!!助けてぇっ……ッッがああああっ!!?」

喉をガラガラと鳴らす声はもはやマミの知る声ではなくなっていたが、その血に汚れた見滝原中学校の制服、
華奢な身体、そして今やべっとりと垂れたピンクの髪……


マミ「……鹿目……さん……!?」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 21:04:39.99 ID:vLwxsYZ/0

まどか「ぅぎゃぁあああああああああッッ!!!!」

マミの驚きを遮ってまどかは目を大きく見開いて絶叫した。

まどかの、左足の薄白い太ももに、ミシン目のような点線がプツプツと浮かんでいる。

肉が、皮膚が、一定の速度で引っ張られ続ける力に耐えきれなくなっていた。

まどか「止めて止めて止めて止めてええええええええええ!!!!」



 ブチッ


 ブチブチブチッ



ミシン目の一つ一つが繋がり、太ももを赤い筋がぐるっと回ったかと思うと、

まどか「ああああああああああッッ!!!!!!!!」


 ボキン!!

と関節が外れる音とともに、まどかの左足の肉が弾けるように二つに裂け、

血が噴き出して白い骨がズルズルと剥き出しになっていった。



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 21:11:25.83 ID:vLwxsYZ/0

 ギリギリギリ………

相変わらず機械は一定の速度でまどかの左足だけを引っ張り続け、まだ裂けきっていない筋肉を無理矢理引き剥がす。

まどか「ああぅっ!ぐふッ!おええぇっ……!いッ…ひぎぃぃいいっ!!!」

まどかの左足の太ももから先がズルリと抜けきった。

そのズタズタになった肉の破片を垂らしている断面から、血が滝のようにボトボトと流れ、床の血の海を波立たせていた。

プルプルと震える左足の筋肉の筋がまどかの身体に伝わり、四肢と首を絞められたまま激しくのたうちまわっていた。

まどか「 ぅっ……フッ…っ……フッ―― あ……っ…… 」

首が真っ直ぐに固定されているため、痛みと恐怖で開いた瞳はマミを正面に見据えていたが、

意識は一切マミに向けられず、ここではない遥か彼方を物凄い形相で見つめていた。

まどか「 ふっ  ふっ  ふっ  …………」

呼吸を荒くして、歯を食いしばりながら痛みに耐えているまどかの顔を、万力のような鋼鉄の板が挟んでいる。

彼女がどんなに激しく抵抗してもビクともしない。

唯一、自由に動かすことのできる腰、胴体をクネクネさせて、まどかはもがき苦しんでいた。



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 21:15:51.15 ID:vLwxsYZ/0

マミ「……っ!鹿目さんっ!」

驚きと恐怖のあまり固まっていたマミは、まどかの声が弱まり小さくなるとようやく我に返った。

マミ「鹿目さん!どうしたの!?何があったの!?」

声が震えていることが自分でも分かった。

びちゃびちゃと血を垂れ流し続け、真っ赤な血と薄いピンクの筋肉、傷口からぬっと飛び出ている大腿骨が
グロテスクなコントラストを描き、ヒクヒクと痙攣しているその左足が痛々しい。


マミは全身が萎縮するような凍える感覚にまた震え、目の前の凄惨な光景、信じられない光景、
現実とは思えないおぞましい光景に恐怖した。

マミ「鹿目さん!しっかりして!…………っ」

恐怖におびえながらも、マミは必死にまどかに呼びかける。

しかしマミを見つめるまどかの眼は既に死にかかっていた。



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 21:21:30.20 ID:vLwxsYZ/0

滝のように吹き出していたまどかの血は止められることなく身体の外に流れている。

大量の出血によってまどかの意識は、その青ざめていく表情の向こう側で確実に遠退いていった。

マミ「……なんで……っ!」

マミは助けようと、ぐっと身体に力を入れる。


しかし動かない。

マミは、初めて自分の状況を悟った。

マミの身体は壁に大の字で拘束され、張り付けられていた。

マミ(何よコレ…………何がどうなってるのよッ!?)

身体を動かそうと手足に力を入れるが、ギリギリと鉄の拘束具が軋むだけでまったく身動きがとれない。

そうしているあいだにも、轟々と動き続ける機械によってまどかの身体は次々と引きちぎられていく。

まどか「 ぅ ぎぃ ――っ あ…………あがg 」

血を失って衰弱しきったまどかの両腕や左足を、容赦なく機械がねじり、引っ張り、破壊していく。

もはや痛みも感じないほど意識が朦朧としているまどかは、それでも引きつったような吐息に混じって
どす黒い悲鳴を小さく漏らしていた。



13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 21:27:38.36 ID:vLwxsYZ/0

目的も何も分からない。

ただまどかは痛めつけられ、そして―――

 ブチブチブチブチブチッッ!!

まどか「  ―――――ヒッ  」

両腕がもがれた。

左右の、奇妙に巨大さだけを印象付けるような拷問の機械から、切れ目に血を滴らせた細い腕がだらんとぶらさがっていた。

2本の腕の支えをなくしたまどかの身体は、ただ頭を挟んでいる万力のような機械によってのみ宙に浮いていた。

その表情は既に死の濁りに浸され、瞳は灰色になってくぼんでいた。


しかし、まだ息があった。

そう長くない生命の灯は、かろうじてまどかの心臓を、肺を動かしていた。


マミ「……っ……もう、止めて……こんな……あんまりよ……っ」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 21:32:55.04 ID:vLwxsYZ/0

マミは目に涙を浮かべ、まどかを正視できないままうつむき加減に嗚咽をもらした。

血の海に生贄のように浮かんだまどかの、死にかかって欠けた身体と比べて
自分の身体は異様なほどつやつやし、健康的な白い素肌を空気にさらしていた。


泣きじゃくるマミの震える肩が、ある恐ろしい音でぴたりと止まった。

 ギチギチギチ……

マミ「……!」

マミはハッと気づき、ぐしゃぐしゃに泣き腫らした眼をまどかに向けた。


まどか「    グゥ ゥウゥウ  ――――   」

 ギチギチギチ……

まどかの喉が、くぐもった、湿った低音を鳴らした。

とても中学生が出せるとは思えない潰されるような声は、事実、まどかの頭を挟んだ万力の板がゆっくりと動き始めたことで、

かすかに残ったまどかの命を完全に押しつぶそうとして絞り出された音だった。



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 21:42:52.23 ID:vLwxsYZ/0

マミは恐怖に目を見開いた。

マミ「いや…………いや…………止めて…………」

肺がきゅっと悲鳴をあげた。

頭蓋骨がミシミシと音を立てて歪んでゆくにつれて、まどかの顔が苦悶の表情へと変わっていく……

圧迫され、変形した頭の形が、まどかの顔の皮膚、筋肉をぐにゃりと曲げ、人間ではない表情へ
ねじれてゆく。



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 21:51:58.23 ID:vLwxsYZ/0

眼は不自然な方向へグリグリ、グリグリと押し出され、穴という穴から体液が漏れ出したかと思うと、

バゴン!!

という音と、

グチャッ!!

という音が同時に聞こえ、まどかの顔面は文字通り崩壊した。

眼球が勢いよく飛び出し、脳に詰まっていた血液が、ひび割れた皮膚からぶしゃあと噴出した。

抵抗を失った万力がガコン!!と鳴ってまどかの頭部だった肉塊をさらに押しつぶしていく。

ボタボタボタ……と滝のように流れる血と脳味噌が見滝原中学の制服にこぼれ、隙なく真っ赤に染め上げた。

マミ「……………」

まどかは断末魔をあげることなく、完全に死んだ。

まどかの胴体がふらりと倒れ、唯一残っていた右足はその重みに耐えきれずにボキンと折れる。

只の物体となった肉塊が、バシャ…と血の海に波紋を広げて落ちていった。

マミ「いや……いやあああああああああああああああああああああっ!!!」

マミは叫んだ――――



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 22:03:34.81 ID:vLwxsYZ/0

――――
―――
――

マミ「………っぶはぁっ!!」ガバッ

 チュン…………チュンチュン…………

マミ「はぁ………はぁ………ゆ……夢……?」

QB「どうしたんだいマミ、すごい汗じゃないか」ヒョコ

マミ「キュゥべえ…………怖かったあああああああああ!!」ビエーン

ダキッ

QB「むぎゅっ」

マミ「うう……すごい悪夢を見たの……」しくしく

モフモフ

QB「く、苦しいよマミ」ムギュムギュ



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 22:10:29.39 ID:vLwxsYZ/0

マミ「夢で良かったあ~…………」ホッ

モフモフ

マミ(…それにしてもちょっとリアル過ぎるんじゃないかしら……)

マミ(まったく、中学生が見るような夢じゃないわよ!)プンプン

モフモフ

QB「むぐぅ……」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 22:12:14.33 ID:R7fAHuBgO

マミさんを幸せにしてあげてくれお願いだ



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 22:20:13.70 ID:vLwxsYZ/0

――見滝原中に登校中

テクテク

マミ(……はぁ……まだあの夢が頭にチラついているわ……)

溜息をつき、疲れたようにこめかみに指を当てた。

あの悪夢のせいでいつもより早く目覚めたマミだったが、
あまりに気分が悪かったので朝食を抜いて登校した。



――ザザ――――ザザッ――――

マミ「………?」

ふと、後頭部に何かが触れたような気配を感じた。

立ち止り、振り返る。

……誰もいない。一人も――



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 22:27:10.82 ID:vLwxsYZ/0

何でもないはずの朝の空気の中に、どこか不穏な、しこりのような違和感。

すがすがしいまでに青々とした空は、妙に毒気の混じった重圧をもってマミの視界に広がっている。

その不可解な感覚、予感めいた何かが、マミをほんの少し不安にさせた。

マミ(……きっとヘンな夢を見てしまったからだわ……気のせい気のせい……)

頭上にのしかかる何かを払いのけるようにかぶりを振る。

ときどき鮮明に思い出されるあの光景を懸命に記憶から遠ざけ、マミは学校に到着した。



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 22:35:12.30 ID:vLwxsYZ/0

マミ「はぁ………」

退屈。

自分で言うのもなんだけど、と心の中で前置きして、

マミ(真面目な性格というのも楽じゃないわ……)

学年内でも優秀な生徒として評価され、今もこうして模範的な態度で真剣に授業を聞くフリをする。

そもそも中学生くらいの授業内容など、軽く聞き流しても理解できないことはない。

それでもマミは、半ば使命感から優等生の自分を演じていた。



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 22:43:33.56 ID:vLwxsYZ/0

……今日はやけに身体がだるい。

授業に集中できないマミは、教室の隅をぼんやりと眺めながら考えにふける。

マミ(……こんな性格になったのも、魔法少女になったから……なのかしら)

自分がQBと契約したのは数年前だったが、特に自覚はなかった。

ただ、魔法少女として、人々を苦しめる魔女を倒し、たった一人で誰にも頼らずに生きてきたことが
少なからずマミにとっての誇りであり、自信の源になっていたのは確かだった。

しかしマミは、自分の思う自己の存在価値がその孤独な自尊心によってのみ支えられているとは信じたくなかった。

まだ幼いマミの精神は、こんな風に優等生を演じることが、すなわち魔法少女とは違う人生に
未練がましくすがっているという心の表れだと気がつかなかった。



46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 22:54:44.27 ID:vLwxsYZ/0

背伸びしていた――そういう言い方もあるかもしれない。

マミ(……可愛い後輩も出来たことだし、ちゃんとしないとね……)

可愛い後輩。

その言葉が脳裏をかすめたとき、あの悪夢がフラッシュバックする。

鹿目まどかが血を吹きだして絶叫する映像が、瞬く間にマミの目の前に思い起こされる。

それはあまりにも現実感を伴って鮮明によみがえった。

ズキ……

マミ(…う……っ)

朝食を抜いてきたからか、それとも不快感からか、妙な頭痛がする。

痛みを和らげるように片手で後頭部を押さえた。



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 23:05:07.38 ID:tWX5oUC5O

ソウなの?

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00067HCXU/2logelephant-22/ref=nosim/



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 23:10:10.65 ID:vLwxsYZ/0

ふと、周りの視線を気にした。

……どうした巴、具合でも悪いのか――

誰かがそう声をかけてきた。と思った。

……保健室、行く?――

心優しい誰かが心配そうに話しかけた。と思った。


……死ねばいいのに――

唐突に頭の中で呟かれる、悪意に満ちた言葉。


マミ「…………!」

ハッと我に返った。

退屈な授業は変わらず退屈なまま進んでいた。

自分を気遣う言葉、優しく語りかける言葉、憎しみの言葉……

それらは全て、マミ自身の妄想だということに気付くのに時間はかからなかった。

マミ(…………あれ……?)


何気なく見たマミの指輪――黄昏色をしたソウルジェムは、一点の曇りなく輝いていた。



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 23:18:13.65 ID:vLwxsYZ/0

◆◇◆◇

「さて、今日はどんな獲物にありつけるかしらね?」

学校から帰ったあと、マミはQBを連れて近辺をパトロールしていた。

QB「今日はまどかたちを誘わないのかい?」

マミ「ちょっと今日は……ね」

QB「調子が悪いなら無理する必要はないよ。今のところ魔女の気配は見当たらないし」

言葉を額面通り受け取るならマミの事を心配しているようにも聞こえるが、
感情のこもっていないその口調からは真意が読みとれない。



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 23:26:00.53 ID:vLwxsYZ/0

マミ「心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ」

素直にうれしいと感じる。

しかし自分にはやらなくてはいけないことがある。

使命であり、責務でもある魔女退治や使い魔退治はもはやマミにとっての日常だった。

今となってはそれを苦痛に感じることもない。

むしろ――生きがいのようにも思う。

マミ「……寒いわね」

首筋にひやりとした空気が触れる。

額に汗が滲んでいた。


季節は、真夏だった。



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 23:33:53.37 ID:vLwxsYZ/0

マミ「……今日も異常なし、ね。いい事だわ」

QB「今はまだいいけど、ソウルジェムが濁り始めることを考えたらそんなにのんびりしていられないよ。
  グリーフシードを溜められる内に溜めておかないと」

マミ「……佐倉杏子のように魔女になるまで使い魔を放っておく……ってこと?」

夜中のパトロールを済ませ、自宅に帰る途中だった。

QB「それも一つの手として考えておくべきだよ」

マミ「…………あんまり考えたくないけれど」



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 23:38:44.04 ID:vLwxsYZ/0

自分に課せられた使命は何なのか。

マミは自分の命を救ってもらった対価としてこの街を守ると決めた。

魔法少女として新たな人生を与えられただけでも幸運なのに、その上自分自身の都合で
この街を、人間達を見殺しにするようなことはしたくなかった。

綺麗事だろうか。

それとも謙虚なだけ?

あるいは――――本心からそう思っているのかもしれない。



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 23:47:15.94 ID:vLwxsYZ/0

マミ「ただいま」

小奇麗なアパートの一室は、中学生が一人暮らしをするにはやや贅沢な広さがあった。

虚しく響くただいまという言葉、その直後に訪れる冷え切った静寂。

いまさら寂しいとは思わないが、元気づけられるわけでもない。

マミ「…………はぁ」

らしくなく大きなため息をつく。

時計の針は9時をまわっている。

マミは気だるい身体を奮起させて遅い夕食を取ったあと、一日の疲れを癒すため
お風呂の支度をした。



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/13(土) 23:56:52.84 ID:vLwxsYZ/0

……真っ白な浴槽や壁のタイルは湯気で濡れ、容器の打つ音がかぽんと響く。

凛とした印象を与えていた整った縦ロールは柔らかくほぐされ、
水に濡れたセミロングの金髪は優しく、穏やかなマミの母性を彷彿とさせた。

チャプ……

マミ(…………気持ちいい……)

少し温めの湯船に浸かり、疲労した身体の隅々に行き届く幸福感に身を沈める。

マッサージするように、自分の腕、足、身体に手を滑らせた。

マミ(……そういえば魔法少女って怪我しても回復できるのよね)

肌の手入れだとか無駄毛の処理などにそれほど熱心になる歳ではなかったが、
その割にはやけに発育の良い自分の身体について、マミはぼんやりと考えた。

マミ(それってつまり、代謝を自在にコントロールできるってことなのかしら……?)

水面下に沈んだ鞠のような胸をじっと見つめる。

自分で揉んでも只の脂肪の塊としか感じないが、白く透明感のある肌に包まれたその膨らみは
健康的で、マミの肉体の一部として若さを強調していた。



72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 00:06:35.87 ID:01Y2h2BS0

マミ(今まであまり考えたことなかったけど、魔法を使えば歳を取らずに生きていけたり……
   いえ、もしかしたら死ぬこともないんじゃ……)

マミ(ソウルジェムが破壊された時に魔法少女は死ぬ……ならソウルジェムがある限り
   わたしは死なないってこと……?)

う~ん、と唸りながら、マミは口元まで湯船に沈んだ。

魔法少女になった時に与えられる、卵のような形をした宝石(ソウルジェム)――

肌身離さず持ち歩いているマミは、今も指輪にして装着している。

天井を仰ぐように左手を伸ばし、その宝石を眺めた。

マミ(……あれ?……気のせいかな…………)

前に見た時よりも、ほんの少し綺麗になっているような……


遠くで、ちゃぷん、と水の跳ねる音がした。



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 00:13:33.89 ID:01Y2h2BS0

  ポチャン―――………

 ―――きなさい

「…………ぅ……」

 ポチャン―――………ポチャン―――………

 ――起きなさい

  ポチャン――――…………

「………………?」

 ――起きなさい、巴マミ。

 ポチャ―――  

 ザクッ

マミ「ぐあッ!?」


「お寝坊さんね」



77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 00:19:23.80 ID:01Y2h2BS0

マミ「ぅ――ぁぁぁああああッ!?」

激痛が右手を襲った。

マミ「あっ――ぎ……!」

右手の指が焼かれるように熱い。
マミは歯を食いしばり、痛みに耐えた。

マミ「はぁっ…………はぁっ…………こ、ここは……っ?」

目に涙を浮かべて辺りを見渡す。

部屋。

壁一面が無機質なコンクリートに固められ、不気味な光に満ちた窓のない部屋。

そして床を鮮明に覆っている、赤い海――見覚えがあたった。

しかしどこで見たのか覚えていない。

それでも何故か、記憶の底にこびりついた恐怖と絶望だけは覚えている。



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 00:33:55.40 ID:01Y2h2BS0

マミ「なによ……これ……! 何なのよっ!」

 ガチャガチャ

マミ「!」

手足が動かない。

マミは自分が縛られ、壁に貼り付けられていることに気付いた。

そして、自分の右手の人差指が切り落とされていることにも気付いた。

マミ「…………っ!!」

目を見開いて、驚きと痛みのあまり息がつまる。

第2関節から先を失った指の、綺麗にそぎ落とされた断面には薄い肉と白い骨がくっきりと見える。

血は流れていなかった。

マミ「はぁっ……はぁっ……!何よ……何がどうなってるの!?」

マミの叫びは虚しくコンクリートに反響し、わんわんと余韻が残るだけだった。



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 00:35:03.98 ID:qhGy1GvbO

これは一体…?



85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 00:40:37.54 ID:01Y2h2BS0

 ポチャン―――………

マミ「!?」

 ドッ――…

 ドッ――…


マミの心臓が音を立てて動いた。

自分と反対側の壁に貼り付けられている人影が、急にマミの目に映ったからだ。

マミ「美……樹、さん? 美樹さん!?」

さやか「………ん……」もぞ…

強烈な既視感。

さやかはマミと同じように、コンクリートの壁に手足を固定されて、貼り付けられていた。



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 00:49:24.66 ID:01Y2h2BS0

マミ「美樹さん!美樹さん!起きてっ!」

 ガチャガチャ

さやか「ん~…………あれ……? ここ……どこ?」パチクリ

 ガチャン……

さやか「って何これ……!? え? え?」

マミ「美樹さん!大丈夫!?」

さやか「マミさん! いったいこれはどういう……」

 ――ポチャン―――………

マミ「!?」

さやかの言葉は、唐突に現れた真っ白な人影に遮られた。

「……二人とも、目が覚めたみたいね」

さやか「だ、だれ!?」



93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 01:02:56.67 ID:01Y2h2BS0

のっそりと動くその人物は最初からそこに居たように、マミとさやかの間、
部屋の中央にまるで浮かんでいるように立っていた。

頭のてっぺんからつま先まで真っ白なかぶり物を着ている。

その人物はさやかの方を向いていて、マミには顔が見えない。
といっても、頭をすっぽりと覆っている頭巾のような布のせいで肌すら隠れて見えない。

さやか「――はあっ……! ――はあっ……! 」

こちら側からは見えないが、さやかの息が上がるのが分かった。

怯えた犬のように――さやかから発せられるわずかな吐息が、その恐怖心を物語っていた。

さやか「止めて…! 近寄らないで!」

「…………」

さやか「な……何をするつもりなの……!?」

「…………」



98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 01:09:22.85 ID:01Y2h2BS0

さやか「嫌……イヤ、いやぁっ!! 止めて!お願いだから止めてっ!!」

さやかはとうとう懇願するような、必死の口調になっていた。

白い人物に隠れて、マミからはさやかの様子がよく見えない。

マミ「どうしたの美樹さんっ!? 止めなさいそこの人!」

さやか「この人……包丁をわたしに向けてきて……っ」

さやかの声が少し震えている。



100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 01:20:24.67 ID:01Y2h2BS0

マミ「……! 何を……っ! 何をするつもりなのっ!?」

「……美樹さやか。殺されたくなければ…………魔法少女に変身しなさい」

白装束が、冷たく言い放った。

さやか「なんで……そのことを!?」

「…………」

さやか「いや!いやあっ!止めて……分かった、変身するから……その包丁をしまって……」

 ピカッ

さやかの居る壁が一瞬、青く光った。

さやかが魔法少女に変身したのだ。



102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 01:29:22.36 ID:01Y2h2BS0

さやか「これでいいでしょ……? 早くわたしを解放してよっ!」

「…………」

さやか「え…………」

マミは嫌な予感がした。

マミ「美樹さ――」

さやか「うぎゃああああああああああああああああっ!!?」

絶叫が、部屋にこだました。

さやか「がふっ、げほっ、あがあああああああっ!!」

「…………」

グチュ……グチャ……ネチャ……



106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 01:36:38.39 ID:ZV1yzsH30

さやかちゃん・・・



107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 01:38:43.15 ID:01Y2h2BS0

さやか「ふっ…あッ!うgぐぅぅうあああ………!!!」

張り付けのさやかに覆い被さって、白装束がもぞもぞと動く。

マミ「美樹さんっ! どうしたの!?」

さやか「いぎぃぃいいいい……い゛だい゛ぃいいい!!……あbっ…お、お、お……うぶpッ……!!」

 ギチ……グッチャ……

さやか「あうっぅ!あつ…ッ!ぎぃ…ッッ!!!おぅぇええっ……!!うっぷ……ウプッ」ボトボトボト

さやかの声が小さく弱まるのと同時に、白装束がゆっくりと、静かに振り返る。

マミは、その顔にあたる部分を見た。

マミ「ひっ…………」ゾク…

背筋に悪寒が走る。



110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 01:40:51.33 ID:01Y2h2BS0

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114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 01:52:23.05 ID:01Y2h2BS0

目、鼻、口にぽっかりと沈んだ底知れない暗闇。

どこを見ているかも分からない顔面が、スローモーションのようにマミの方を向いた。

その右手には真っ赤な血に濡れた出刃庖丁が握られている。

そしてもう片方の手には、こびり付いた血の隙間から透明な光を洩らす、青い宝石が――

マミ「それは……美樹さんのソウルジェム!」

青白い光が、白装束の手の上でトクン、トクンと波打っていた。

血だらけになったソウルジェム。

さやかの悲鳴。

マミ「あなた……美樹さんから無理矢理ソウルジェムを引き剥がしたというの……?」



117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:05:21.69 ID:01Y2h2BS0

「…………」

白装束は黙ってその不気味な表情をこちらに向けたまま、するりと横に移動した。

マミの視線が一直線に捉えたのは、へそを中心に半径5cmほどの腹の肉をくり抜かれた
美樹さやかの惨たらしい姿だった。

マミ「美樹さんっ!!あぁ……なんてこと……どうして……」

さやか「 ぐフッ―― げほッ―― うぐぅぅ―― 」

だらりと頭を垂れ、力なく身体をよがらせて痛みに耐えているさやかは、とても正視出来るものではなかった。

乱暴にえぐられた腹わたからは腸が数本飛び出し、健康的な肌色に
赤い絵の具をベタベタに塗りたくったような凹みが作られている。
さやかが息をするたびに生々しく内蔵が蠢いた。

口からも血を流し、もはやまともにマミの呼びかけに返事できる状態ではない。



120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:07:43.92 ID:HBpaV+Ho0

けいおんの惨殺SS読んでオエーッてなった俺にはハードル高い



129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:36:01.92 ID:j4NfbDST0

>>120
kwsk



132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:44:10.89 ID:HBpaV+Ho0

>>129
http://elephant.2chblog.jp/archives/51561824.html



133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:51:14.77 ID:cnbuX5wB0

>>132
50くらいで吐き気がしたから見るのやめた



122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:17:44.10 ID:01Y2h2BS0

マミは恐怖に怯えた。

さやかが無惨に切り刻まれたからではない。

不気味な白装束の仮面に怖がっているわけではない。

魔法少女と化し、痛みを克服する術を持っているはずのさやかが、徹底的に痛みを味わっているという
事実が、何よりもマミに恐怖をもたらした。

マミ(……魔法を、使えない…………!?)

逃げられない。

目の前の不気味な白装束が自分に何をするつもりなのか、分からない。

目の前のさやかのように、腹わたを切り裂かれるのだろうか?

ナイフの切っ先が、柔肌に触れることを考えただけで全身に危険信号が走る。

イヤだ。何を? 止めて。 近寄らないで。



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:30:11.53 ID:01Y2h2BS0

ゆらり、と白装束がこちらに向かってくる。

マミは恐ろしさのあまり、呼吸が荒くなる。

マミ「はあっ――……はあっ――……はあっ――……」

心臓の鼓動が速まる。


すると相手は、包丁を持つ方の手ではなく、さやかのソウルジェムをかざした。

マミ「はあっ――……   」

「…………」

覆面に空いた二つの穴――暗闇だけがどこまでも続いている大きな眼が、
マミの怯える顔の、鼻先まで近づいた。



127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:34:23.22 ID:01Y2h2BS0

マミ「ひっ…………」

「…………あなたは、これが何か分かるかしら?」

マミ「……………え……?」

「この美しく輝く魔法の宝石…………これが何か、知っている?」

マミ「……ソウル…ジェム……」

素直に返答する。

今のマミにはそれ以外できることはなかった。



130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:42:31.98 ID:01Y2h2BS0

「そう……この宝石の名前はソウルジェム……けれどもあなたは、この宝石の
 本当の意味を知らない…………」

マミ「本当の、意味……?」

先程とは打って変わって、白装束は穏やかさすら感じられる表情を見せた。

少なくともマミの目にはそう映った。…………映った?

「魔法少女を象徴するもの……。魔法の源となるもの……。生命の根源たる魂を閉じ込め、
 精神を宿し、概念を具現化させたもの……」

白装束の言葉は、あくまで淡々としていた。



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:51:19.49 ID:01Y2h2BS0

と思うと、

 ス――ダンッ!!

マミ「――ッッ!!!ぁぁぁあああああああああああああッ!!!」

これまでに経験したどんな痛みよりも痛い、激痛が右手首を裂いた。

痛い……痛い、痛いっ!!

ドクドクと右腕に流れる脈が、切り落とされた右手首の切断面を震わせる。

 ビューッ ビューッ

マミ「はっ、はっ、はっ、はぁああああ……!!」

傷口から吹き出す血が、心臓の鼓動に合わせて勢いよく飛び出していく。



136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 02:52:27.89 ID:AmolCoiXO

白装束……口調……
あいつだろうなあ



138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 03:01:36.76 ID:01Y2h2BS0

 ビュッ ビューッ

その放物線を、マミは絶叫しながらただ見ていた。

止まって、止まって、止まって……!
痛みのあまり涙をぼろぼろとこぼしながら、マミは必死に願った。

そしてその願いはすぐに叶うことになる。

「痛い?ねぇ、痛いの?」

目の前の残忍な狂人は、笑うように問いかける。…………笑うように?

マミ「痛いっ痛いっ痛いっ!お願い、今すぐ止めてえええええ!!」

悲痛な叫びが部屋いっぱいに響く。叫びすぎて喉がガラガラになる。

叫び続ければ痛みを忘れられると思いこむように。



143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 03:17:44.60 ID:01Y2h2BS0

「分かったわ、止めてあげる」

そう言って取りだしたのは、空気が歪むほど熱せられた鉄板――

傷口を焼いて出血を止めるための、焼きゴテだった。

マミ「はっ、はっ、やっ、だめっ、やだっいやああっ!」

「…………」

白装束はもったいぶる様に傷口にそれを持って行き……


ジュウッ――!!


マミ「――ッッ!!!?」ビクンッ

マミ「お゛あああ゛ああああああッッ!!!!あづいあづいあ゛づいいいいいいいっ!!!」

マミの身体が物凄い勢いで跳ねあがる。

マミ「う゛おおおあああああああああッッ!!!!!!」ビクビクッ

胸を突き出し、背中を反らせて、ガクガクと震える。

口から泡を吐き、白目を剥いて小刻みに痙攣している。



146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 03:28:44.60 ID:01Y2h2BS0

 ジュッ

マミ「ぅ゛ぅ゛ぅううう!!!」

血がジュクジュクと泡だって傷口にへばりついていた。

生焼けの筋肉の繊維が、焼け切れずに何本か垂れている。

マミ「うっうっうっうっうぅうぅう…………ぅぉおぇええ」ビシャビシャビシャ

嘔吐物をまき散らしてマミは気絶寸前のところで持ちこたえた。

人の焼ける強烈な匂いが立ちこめる。

「……あなたの魂の宿るもの……あなたの精神を守る"殻"……それはこんなにも脆く、呪われた鎧……。
 痛みを与えられたとき、その鎧はいとも容易く裏返り、精神を犠牲にして魂を穢す……」

マミ「ああぅうぅぅ……ぅうぅうううっ……お……あ……ぁぁ……」ヒク ヒク



149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 03:40:32.50 ID:01Y2h2BS0

「精神と魂、そして肉体は、それぞれ別に存在することは有り得ない」

白装束の手が、マミの頬をそっと撫でた。
優しく、いたわるように……

「でもあなたたち魔法少女は違う……」

マミの視界いっぱいに、白装束の恐ろしい影が広がる。


嘲り笑うような……


引きずり込むような……


世界の全てがそこに収束するような、地獄的な幻想が――



152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 03:54:35.83 ID:01Y2h2BS0

「――人間は本質的に孤独である」

マミは弱々しく首をもたげていたが、白装束の言葉だけははっきりと聞き取っていた。


「精神が、魂が、肉体という不完全な器に留まっているかぎり、人間が孤独から逃れることはできないわ。
 ヒトは命の終わりをもってしか、その魂を解き放つことはできない……」


「孤独に耐えられずヒトは死に、孤独から逃れるためにヒトは他人を求めるの。
 ヒトは不完全な肉体によって曖昧に定義され、どこまでが自分で、どこまでが他人なのか……
 それすらも分からないまま、自分が孤独であることを頑なに否定して、無様に生きようとする」


「他人の存在なくして自分という存在を認識できない、憐れで、悲しい生き物。
 ヒトは結局、ヒトの世界の相対性の虚構にすがり、生と死という絶対的な時間の実相に支配され、
 翻弄されるだけの観念的な形象にすぎないの……」



「……そんなの、虚しいと思わない?」



155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 04:10:41.91 ID:01Y2h2BS0

マミ「…………」

痛みは既に引いていた。
身体のあらゆる感覚が一本の意識の柱となって、痛みなど微塵も感じなくなっていた。

感じない――

痛みも何も――自分という存在に包まれて、その外郭の一切を断ち切ってしまったように――何も。

「――魔法少女とは、肉体の鎖から精神と魂を解き放ち、現象と真理の無秩序な構造を捨て去って、
 その先にある具象を証明した新たな存在……孤独を、運命を克服した存在……」

「その象徴がソウルジェム。ソウルジェムという新たな器に魂を移し、肉体という形象は精神によって
 繋がれ、その抽象的な構造は魔法という概念によって支配され、形作られる……」

「この呪われた苦しみ、残酷な痛みをもたらす不完全な肉体はもう必要ないの。
 あなたの魂、精神、肉体はすべて孤独の裡に融合して、この世界と一体になったから――」

「だから何も怖がることはないわ。あなたはもう、独りなんかじゃない。
 ソウルジェムがある限り、あなたは世界のすべてと等しく――終わりのない世界の住人となったのだから――」


――そう。 あなたは、孤独じゃない――



157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 04:15:21.24 ID:01Y2h2BS0

マミ「………………!」



白装束の手が、その頭を覆う頭巾の切れ端を掴んだ。




その邪悪な仮装が、ゆっくりとめくられていく。




マミの目の前で、静かに姿を現した"それ"は――――



159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 04:24:26.93 ID:HBpaV+Ho0

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   \  丶       i.   |      /     ./       /
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161:>>159お前どうしてくれんだよ……:2011/08/14(日) 04:30:47.42 ID:01Y2h2BS0

マミ「――――巴マミ。わたしはもう、孤独じゃない」


私だった。




"わたし"がそこにいた。




綺麗に澄んだ瞳、その眼差しをまっすぐわたしに向けて……



162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 04:32:41.32 ID:vX6C33Aw0

まみ……まみ……?



165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 04:42:51.49 ID:01Y2h2BS0

――わたしは絶望する。目の前に居るのが、私……?

私は小さく落ちくぼんだ目にどす黒い悪意を溜めて、わたしを見た。

するとその口端が糸で引っ張ったように耳元まで裂け、ケタケタと笑いだす。

マミ「いひひひひ。いひひひひひ……」

カラカラ

カラカラ

マミ「あはっえへっ、えへっ、へあっへへへへっえ」

私もつられて奇妙な叫び声をあげる。

マミ「いひひひいいひひひひぃひひいひっ」ケタケタ

マミ「ふっふふふふふっフフフヘヘヘヘあへへっ」ケタケタケタ







「――――イやあああああああああああああああああああああ!!!!!」



166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 04:44:22.16 ID:ZV1yzsH30

円環の理に囚われている・・・



169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 04:55:49.36 ID:01Y2h2BS0

マミ「はぁっはっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……」

マミ「あうっ――ふぅ……ふぅ……はぁ……」ガバッ

ダダダダッ

バタン!!

マミ「んぐっ………んぐっ………んぐっ………」

ゴク…ゴク…ゴク…

マミ「――っぷはぁっ!!」ダンッ!

マミ「はー…………はー…………夢……夢……」

マミ「…………ゆめ………夢なの……ゆめ……」

マミは自分の右手を見つめた。

マミ「繋がっている……ちゃんと、ある……わたしの手……夢……」



170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 05:02:31.06 ID:01Y2h2BS0

夢から覚めたことを実感したマミは、少しずつ平静を取り戻した。

深呼吸し、パジャマが汗でびっしょりに濡れていることに気付く。

マミ「……着替えないと……」

のそのそと暗闇の中を動いた。

 パチン

洗面台の明かりをつける。

眩しい……

寝起きの、ぼんやりとした意識に強烈に差し込まれた光が……



171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 05:13:05.87 ID:01Y2h2BS0

マミ「…………鏡」

パシャ――

顔を洗い、艶やかで健康的な顔に冷たい水が滴るのを、正面に見た。

自分の背後にある景色、部屋の模様が、どんよりと曇っていくのに比べて、
マミの顔は晴れやかに、純粋な光を湛えて、不幸な想像力を働かせる余地は微塵もなく、
その内にある明るい感情は確乎たる生の象徴性に溢れていた。

マミ「巴マミ……私は孤独じゃない……」

その言葉は力強く、

マミ「魔法少女として、生きる――私は一人じゃない」




――――ブツッ



173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 05:15:22.44 ID:Bn1m0A/IO

ブツッ?



175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 05:30:16.35 ID:01Y2h2BS0

◆◇◆◇

昇りかけた太陽に照らされた見滝原の町並みは隈なく夏の熱気に揺らめいて、光のおびただしいその光景が
まるで一種の人間的な表徴のようにマミの目に映った。

肉薄な美しい白肌の、その薄く透き通った輪郭のすぐ下には、腐りかけの現実が泥のように渦巻いているというのに……。

マミは、その内に秘めた感情が耽美的な様相を呈して光り輝いているように思われた。

半ば確信的に、邪まな信念、錆び果てた使命感が、この腐敗した街並みをすっぽりと呑み込んで
自分の内側と外側が地続きに開け放たれたことを感じた。


さやか「あっ!マミさん、おはようございます!」

背後から、元気いっぱいにさやかの声が聞こえた。

マミ「あら美樹さん、おはよう。鹿目さんも……」

まどか「おはようございます」

まどかは礼儀正しくペコリとお辞儀する。

二人の身体には傷ひとつなく、生に飢えた人間らしく、はつらつと動き回っていた。



176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 05:41:33.10 ID:01Y2h2BS0

マミ「…………」

マミは夢に現れた二人を思い出していた。


頭蓋を砕かれ脳を破裂させ……四肢を引き千切られて苦しみもがき……絶望に歪んだ表情が……。

生きたまま腹を切り裂かれ……身体の外に飛び出した内臓に恐怖し……どこまでもこだまする絶叫が……。


しかしマミは、穏やかな気持ちで夢の記憶を眺めていた。

他愛ない会話で盛り上がり、一緒に登校している後輩の後ろ姿にその光景を重ねて――

マミ(なぜ露出した内臓が凄惨なのかしら……。なぜ人間の内側を見て、悲鳴を上げたり、
   目を覆ったりしなければならないのかしら)

マミ(それは私たちの肉体の、皮膚の潤った若々しい美しさと、全く同質のものなのに……)

夢に現れた残酷な二人の呻き、血と断末魔の甲高い雄叫びが、マミの魂をより謙虚に、和やかな
精神の落ち着きをもたらした。



177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 05:55:09.40 ID:01Y2h2BS0

まどか「――マ――さ――……」

ザザ……

マミ「……えっ?な、何かしら?」

まどか「――どうしたんですか?ボーっとしてましたけど……」

マミ「ん……なんでもないのよ。ちょっと考え事」

マミはそう言って、自分の指輪にはめられた宝石を撫でた。

さやか「あれっマミさんのソウルジェム、ずいぶん――――」

ザザ……

さやか「――綺麗ですねー。あたしなんて結構ヤバイかも、あはは」



179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 06:06:56.39 ID:01Y2h2BS0

マミ「駄目よ、美樹さん。このソウルジェムが濁りきると、あなたも死んじゃうんだから」

さやか「う~ん、そうは言っても最近使い魔ばかりで……」

さやかははにかんで笑った。

まどか「で、でもさやかちゃんもマミさんも、あまり無茶しないで……」

さやか「分かってるって!それにあたしはともかく、マミさんは大丈夫だよ。
    ――こんな強くて、美人で、かっこいい人がやられるわけないじゃん!」

マミ「ふふっ、おだてても何も出ないわよ」クス



181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 06:19:31.69 ID:01Y2h2BS0

マミの周りの景色は、美樹さやかと鹿目まどかを取り込んで、水面に映る太陽のように
キラキラとさざめいていた。

不安はなかった。

今日もまた、わたしは優等生を演じていればいい。

それは決して表層を取りつくろった偽物のわたしではなく、在りのままの私……
道徳的な規範も、悪の行為、思想すらも内に秘めた、美徳という精神の発露のままに……。

世間で悪と呼ばれる行為に対する衝動も、なんら確証もなく声高に叫ばれる善と正義の争いも、
すべてはマミの宝石の中におさめられた孤独の裡に、等しく立ち並んでいた。



182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 06:26:59.69 ID:01Y2h2BS0





覚醒。

そう呼ぶにふさわしいほど魔女と退治するマミの身体は優雅に宙を飛び回り、
笑みすら浮かべて輝きを放っていた。

マミ「 ふふっ ―― 」

ダン!! グチャッ

灰色の空間に浸されたマミの肉体は使い魔たちの間を滑らかにすり抜け、
一切の無駄なく辺りを鮮血に染め上げてゆく。

マミ(……この使い魔たちにも魂が……精神が宿っているのかしら)

この空間においては、全ての殺戮行為が許される。

マミは、魔法少女としての可能性の広がりを求めて貪欲に闘い続けた。

そこに喜びがなかったと言えば嘘になる。



226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 12:24:02.73 ID:01Y2h2BS0

マミ「…………」

ドドドドド……!!

無数のマスケット銃はマミの手から離れ、遥か遠方から糸に引かれているように幾何的な模様を宙に描く。

もはやそれは打撃の種類ではなく、流れる川のような優美な曲線があらゆる物質をなぎ倒し、粉砕し、
マミの振り放った一帯だけが、不純物を濾し取った透明な純水のように揺らめいた。

たった一人で、強大な魔女に立ち向かう――。

失うものなんて何もない。

恐怖におびえる必要もない。

わたしはもう、孤独じゃないのだから……。



230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 12:39:35.86 ID:01Y2h2BS0

魔女は、その腐った身体をもぞもぞと動かして、笑い声のような悲鳴をあげていた。

流れるようなマミの攻撃は容赦なく魔女の身体を削り、破壊してゆく。

一斉に放たれるマスケット銃の砲弾が轟音を響かせ、魔女は粉々になって崩れた。


ズドォォ…ン……!


マミ「…………ふぅ」

圧倒的な勝利だった。

マミは喜びもせず、ただ深く息を吐き、身体の興奮を抑える。

魔法によって宝石と繋がれた身体はどこも傷つくことなく、マミは冷静に変身を解いた。



233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 12:46:17.78 ID:01Y2h2BS0

義務的な動作だった。

それでもマミの心は幸福感に満たされ、宝石の殻に守られた魂は喜びに染められていた。

マミ(……ソウルジェムが全然濁っていない……幸せの中で戦うのって、こんなにも
   素晴らしいことだったのね)

マミは慈しむように指輪を撫でた。



235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 12:58:00.68 ID:01Y2h2BS0





ギッ――ギッ――

マミ「あっ………あぁぅ……っ……ぅっ」ヒクヒク

ギッ――ギッ――

まどか「マミさん……どうして……どうして私を見殺しにしたんですか?」

ギッ――ギッ――

マミ「――ふっ ――ふっ ―――――アッ 」ギリリ…

まどか「……教えて下さい……じゃないと、このまま死ぬことになりますよ?」

マミ「あうぅぅ……ふ……っ………ぅふ…っ……あっあっ」



237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 13:10:02.92 ID:01Y2h2BS0

ギッ――パカッ

まどか「あ……頭が割れちゃった…マミさん見て下さい……マミさんの脳味噌、
    すごく美味しそう……ウェヒヒ…」

クチュクチュクチュ

マミ「あー………ア――……ひっ――  ヒッ 」ピクピク

まどか「ペロペロ……ちゅーっ、ちゅーっ……」ジュルジュル

マミ「ひぅっ……あひ……あっ……あっ……!」



240:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 13:21:27.33 ID:01Y2h2BS0

マミの肉体はまどかによって弄ばれた。

腕、腹、足……その豊満な胸に至るまで、あちこちに細かな切り傷が無数に刻まれ、ジワリと血が滲んでいた。

まどかはその傷口を指先で執拗にいじり、溢れる血を悪戯な目つきで楽しそうに見ている。

マミの頭蓋はまるでおもちゃ箱のようにぱっくりと開かれ、危うい脳味噌はプルプルと震えて何とか収まっていた。

まどか「ティヒヒ……マミさん、すごくエッチな顔してるよ?」

マミの表情はマミの意思に逆らってひくつき、涙とよだれをだらだらと垂ら流しながら、
焦点の定まらない目を宙に泳がせていた。

マミ「ぅふっ……ふっ……ふっ……ぁ…っ…」ピクピク



245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 13:35:07.45 ID:01Y2h2BS0

まどか「キス……しよ? マミさん……マミさんが欲しいの……んっ」

マミ「んふぅ……っ……ぅ…ぅ……」

ちゅぱ……ちゅぱ……

まどかの舌が、無抵抗なマミの口の中を舐めまわす。

マミはほとんど気絶しかけながらも、まどかのざらついた舌が自分の中といやらしく絡むのを感じた。

厚く肉感のある唇にまどかは優しく吸いつき、生まれたての小鹿のように小さく震えているマミの顔を
両手でそっと包みながら、取り憑かれたようにキスするのを止めなかった。

まどか「ん……ちゅ………んむ……っ…ちゅぱ………ふぅ……ん…っ」

マミ「んむ……・っ……ぁ………はむ………ちゅる」



250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 13:49:38.42 ID:01Y2h2BS0

まどかはようやくキスを止め、マミの口から離れた。

だらしなく開かれた二人の口からはネバついた糸がトロ…と垂れている。

マミの吐く息は繊細に、生温くまどかの頬に触れた。

まどか「んもう……マミさんったらホントにエッチぃんだね……
    それにこんなスタイル良いんだもん……もう我慢できない」

 コリ…

マミ「…………あh…っ」ビクン

まどかが、マミの乳首を噛んだ。
それに反応するようにマミの腰が少し揺れ、開いた頭蓋の脳味噌がぬちゃ…と動く。



252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 14:02:02.94 ID:01Y2h2BS0

まどか「んく……ちゅぷ……ん………っ」

弾力のある乳房に顔を埋め、透き通るような肌に浮かんだ汗と血をせわしなく舐め取る。

まどか「ペロ…マミさんのおっぱい……んっ…美味しい……ちゅぷ…っ」

貪るようにマミの胸を揉みしだき、薄く血管の浮かんだ肌に満遍なく舌を這わせる。

まどかの指先や舌が乳首に触れるたびにマミは敏感に反応し、人形のようにだらけた口元から
甘い吐息が漏れる。

マミ「――ふっ―――………あっ……あ……っ」

まどか「む~……柔らかくて、気持ちいい……むにむに……」



256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 14:15:57.31 ID:01Y2h2BS0

 レロ…

マミ「ん…………っ」ピク

まどか「あはは、マミさんの乳首こんなに立ってる……」

ジュルジュルジュルッ

マミ「―――――ッ」ピクッピクッ

身体の自由がきかないマミは……正確には意識すらも朦朧としていたマミは、
自分の繊細な部分が、まどかの暖かい口の中で転がされている様子を敏感に感じ取った。

まどか「…んっ……ちゅる…っ…ちゅるる………んむ……れろ……」

マミ「…っ………っ……!」ヒクヒク



260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 14:33:09.78 ID:01Y2h2BS0

まどかはマミの乳首を吸い、時には甘く噛みながら、その手は次第にマミの乳の周囲をなぞっていた。

その優しい手つき、細やかな5本の指が、官能的な曲面を描くマミの乳房から少しずつマミの脇へ……

無防備な脇の下へと滑っていき、波打つ鼓動を指先に感じながら、汗で濡れたマミの身体を

下乳の谷間、細く締まったくびれ、可愛らしく震える小さなおへそ、少し骨盤の浮いた腰回りと少しずつ下半身へと

指を這わせていった。

まどか「ん……ふぅ……マミさんったら汗びっしょり……それに下の方も……」

マミ「んっ…………!」

顔を微妙にしかめて、マミは今までよりも強く声を漏らした。

まどかの右手が、しっとりとマミの恥部を覆っていた。



262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 14:48:40.53 ID:01Y2h2BS0

うっすらと毛が生えているマミの陰部は熱をもって、まどかの手のひらの中で蒸れていた。

まどか「マミさんのあそこ……すっごい濡れてる……はぁ…ぁ……」ネト…

まどかはマミの乳首から口を離し、数センチの距離までマミの顔に近づいた。

まどか「マミさん……気持ちよく、なりたいですよね?」

 つぷ……

マミ「ん………んん…っ……んっ……!」

マミがその甘い誘惑を理解しているかどうかは定かではない。

まどかの中指が、ゆっくりとマミの膣に挿入されていく。

 ヌプ…チュプ……



267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 15:11:34.43 ID:01Y2h2BS0

まどか「…ふふ……マミさんって…まさか処女?」

まどかが悪戯っぽくマミに問いかける。

空気に晒された脳髄をプルプルと揺らしながら、マミは何も返事せず、ただ口を半開きにし、
よだれをダラダラと垂らして、トロンとした目の中の瞳はかすかにまどかの顔の辺りをうろついていた。

ぬちょ…

まどか「は…ぁ……マミさんのおま○こきっつきつだね……私の指に吸い付いてくる…」

まどかのなまめかしく動く手先、指先がマミの膣壁を音を立てて刺激する。

ヌププ……

マミ「……っ………っ……」ピク…ピク…

まどかの指を包む暖かい肉壁、ぬるぬるした凹凸のある肉壁は、マミが反応するたびに
きゅっ、きゅっと締まり、まどかの指にさらに強く絡みついていった。



270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 15:27:38.14 ID:01Y2h2BS0

まどか「膣内(なか)だけじゃ物足りませんよね?」

まどかはそう言うと、中指の第二関節まで入れたまま、親指で陰核にそっと触れる。

マミ「は…っ………ぁあっ………!」ビクッ

まどか「どうですか?気持ちいいですか?」

クリトリスの周りを器用に撫でまわし、焦らすようにマミに問いかける。

マミの表情は一層とろけて、息が荒くなっていく。

まどかはそれを合図にしたかのように手の動きを激しくしていった。

マミ「んっ……んっ……んぁっ……!」

 クチュクチュ……

まどか「マミさん…!マミさん…!可愛いよマミさん…っ!」

じゅぷじゅぷと掻き出すように指を出し入れし、手のひらは小さなクリトリスに押し付けるように
いやらしい液体に濡れたマミの陰部全体を刺激していく。



275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 15:40:03.50 ID:01Y2h2BS0

まどか「はっ…はっ…どうですかマミさん?気持ちいいんですか?気持ちいいんですよね?
    イっていいんですよ?イキたいんでしょ?ねえマミさん、イキたんだよねっ!?」

ピチャピチャピチャ

マミ「んぁっ……ぁっ……あっ、あっ、あっ」

動きが激しくなるにつれて、マミのだらしなく開いた口から淫らな声が短く漏れる。

まどか「はあ、はあ、マミさん…っ!イッていいよ!イッて!マミさんっ!!」ジュプジュプ


マミ「あっ、っっ…っぁああああッ!!!」ガクガク

ビクッ!!

マミの腰にぐっ、と力が入り、浮いた。と思うと次の瞬間、

――プシャアアア

まどかの掌に透明な液体が勢いよく噴射された。



276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 15:46:53.97 ID:6sRaGQp1O

ふぅ…



279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 15:50:21.40 ID:01Y2h2BS0

まどか「あっ……もったいない」プシャアア

急いでマミの濡れた毛に覆われた陰部に口元をかざす。

まどか「んっ…ごく…ごく……んぐ……ゴクっ……ゴクっ」プシャア…

マミの吹いた潮が顔にかかるのも気にせず、なるべく沢山飲めるようにヒダヒダを両手で広げ、
うっとりしながらマミの股間を濡らす液体を飲み続けた。

まどか「んっ……ペロペロ…マミさんの汁美味しいです……んっく……ペロ…」

マミ「…………あっ」プシュッ

――――ガクガクガクガクガク

チョロチョロと最後の液体を放出し終えると、マミの下半身は激しく痙攣しはじめた。



282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 16:01:03.57 ID:01Y2h2BS0

まどか「そんなに気持ち良かったんですか?マミさんったらとんだ変態さんですね……
     脳味噌ぱっくり見せながらイっちゃうなんて……ティヒヒ」

まどかは満足そうな笑みを浮かべた。

欲望のままに光るまどかの眼は、満身創痍のマミを舐めまわすようにくりくりと動いた。

まどか「う~ん…次はどうしようかなぁ……エッチなことばっかりじゃ私が気持ちよくなれないし……」

楽しそうに呟くまどかは、ふとある考えをひらめき、顔を明るくさせた。

まどか「そうだ!私、前からマミさんに憧れてたんですよ~」

そう言ってまどかはマミに近づき、

まどか「――だから、マミさんの脳味噌食べれば私もマミさんみたいになれるかな?」



286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 16:19:10.66 ID:01Y2h2BS0

マミ「ぅぅ…………ぁ……」

マミはまともに返事も出来ない。

まどか「うん、そうだそうしよう!マミさんの脳味噌、いただきま~す!」

 グチャッ

マミ「う…うう゛ぅう゛お゛お゛お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

まどか「えい!」

 ぶちゅっ ぐちゃぐちゃ

マミ「あ゛あああ!!!あ゛あ゛ああああ!!!う゛うううう!!!!」

 ズボッ ブチュ



291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 16:28:55.06 ID:01Y2h2BS0

マミの柔らかい脳味噌が無造作にかき回される。

視界が激しくチカチカと点滅する。

耳がキ―――ンと割れるように鳴り響く。

目はぐるんと上を向き、今にも飛び出しそうなその白目から涙と血が混じって垂れ流される。

口から泡を吹き、胃液が逆流する。

頭蓋から溢れた脳髄や体液、血液がマミの顔をしたたる。

ずぼっ ぶちゃ ぶちゃ ズルッ ……

マミ「う゛ぐう゛うううう!!!!!!がああああああッッ!!!!!!!!」



295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 16:44:36.16 ID:01Y2h2BS0

喉から絞り出される絶叫、それに呼応するようにマミの全身が跳ねるように暴れまわり、縛り付けられた土台に
強く大きく叩きつけられる。

ビタン!! ビタン!! ビタン!!

マミ「ふぐぅう゛ううううううッッ!!!!!!い゛ぎいいいいいいいいいいいい!!!!!!
   や゛め゛でええええええええええええええええええ!!!!!」ガタン!!ガタン!!

そのおぞましい叫び声もまどかの耳には届かず、

まどか「いちいち手で掴んで食べるのも面倒くさいなぁ……そのままかじっちゃえ」

ズボッ!

まどか「むむむ……えいっ!」

ギチギチギt ブチィッ!!

マミ「う゛ぐう゛お゛あああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」ジタバタ

まどか「むしゃ……むしゃ……マミさんの脳髄けっこうイケるね、美味しいよ!」

ズボ ムシャムシャ ギチギチ ブチブチ

マミ「ウウォァ……ァアアア……アア………アアゥゥ……!!!!」ガクガクガクガクガク

マミの脳はみるみる減っていき、まどかが食い散らかしたあとがぽっかりと不気味になくなっていた。



299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 17:02:14.90 ID:01Y2h2BS0

(人はどんな形であれ最後には死ぬ……でも真実はそうではないことを、わたしは知っている)

自分の脳髄がまどかによって失われていく過程を見ながら、マミは思った。

(どこまでも無限に分割できる時間の中で人は生きている……。それは限りなく連続していて、
 その集合体が人にとっての人生であり、生と死に区切られたある種の思念の塊……)

(でも実際は人の生、人の現実というものは、その限りない"一瞬"の連続の中の極限に"現在"に近い
 "過去"に過ぎない……過去のわたしが、今現在のわたしと同一である保証は……どこにあるの?)

頭蓋の内側はテカテカと赤黒く濡れて、まどかはその肉壁を丹念に舐め取った。
マミの目玉がグリグリと好き勝手な方向に回る。

マミ「ウォォ……ァァァ……!!!」グチュ…グチュ…ヌチャ…

(人が生きている限り、常に過去の自分と決別して現実に存在しているのなら――
 それはつまり、人は生きながらにして常に死んでいるということと同義……)

(無数のわたしは現実という時間によってただ一つに定義され、その流れる川の行きつく先は
 時間の止まった永遠の世界――時の支配から解放された、真実の死の世界……)



301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 17:03:34.78 ID:kFEazDR30

おかしくなっちゃった



306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 17:14:10.55 ID:01Y2h2BS0

マミ「ア…………ウア……ア……!」グチュ…


マミ「―――ア――――ア―――――………ッ    ッ   」


……マミの肉体は果てた。脆弱で、純粋な命の灯火、その精神と……

(………………)

(……わたしは魔法少女……生命の理を超えて、孤独という存在そのもの――)

(わたしには過去もなければ現在もない。わたしの現実は、この静止した宝石の殻のなか……
 人間のように生きることも死ぬこともなく、ただ静かに永遠の世界を漂う孤独な魔法少女……)



マミ「……もう、何も怖くない」




ブツン――



309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 17:28:34.33 ID:pyjpp+VPi

ガチで頭がティロティロしていた



311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 17:32:13.01 ID:01Y2h2BS0

◆◇◆◇

 ザザ……

さやか「――――――ミさん―――」

 ザザ……

まどか「――マミさ――――?」

 ザザ……

 ……ピュ―ッ

さやか「聞きました?マミさん」

マミ「? 何かあったの?」

まどか「最近、この見滝原で街の人が次々と惨殺される、なんてニュースが――」

マミ「! そんなことが……!?」

さやか「これ、どー考えても魔女の仕業ですよね……」



316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 17:43:26.59 ID:01Y2h2BS0

マミ「……おかしいわね」

さやか「……?」

マミ「わたしがパトロールしてる限り、実際に被害に会う一般人なんていないはずなのに……」

さやか「…う~ん……確かにマミさんが目を光らせてるうちにそんなに大勢が被害に会うってのも
    ちょっと考えにくいかなぁ……」

まどか「……ただの通り魔っていう可能性は……ないの?」

マミ「人間が悪を働くとき、大抵そこには魔女の影響があるものよ。
   ……純粋に人の心から生まれた邪悪だとしても、その絶望を狙って魔女が集まるかもしれない」

まどか「……行くんですか?…―――その――ザザ――で――ザ――」

さやか「――――ザザッ―――ピューッ―――」

さやか「ま、ちゃんと調べてみないと分かんないけどねー」



320:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 17:58:50.59 ID:01Y2h2BS0

マミ「……美樹さんはこの事件には関わらない方がいいわ」

さやか「ええっ!?どーしてさ!」

マミ「ニュースになるほど多くの人間を、隠しもせずに殺したまま放置するなんて
   よっぽど自信のある魔女……強大な魔力を持つ可能性もある」

マミ「美樹さんはまだ魔法少女になって日が浅いし……ここは私に任せて欲しいの」

さやか「…………」むー

マミ「…ごめんなさいね。その代わりグリーフシードを手に入れたら美樹さんに譲るわ」

さやか「そんな――――ザザ――ザザ―――ッ―――――ピューッ」

まどか「…………さやかちゃん、マミさんの言う通りにしよう」

マミ「魔法少女として永く生きたいのなら、身の程もわきまえないとね」ピシッ

さやか「ちぇーっ」


 ……ザザッ……ザ………



323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 18:10:21.49 ID:01Y2h2BS0







――その日の夕方、放課後。

マミ「…………こんな近場にあったなんて、灯台下暗しとはこのことね」

太陽は大きく傾き、空に浮かんだひつじ雲は燃えるように赤く、彼方へ伸びる夜の影と綺麗な濃淡を作って

見滝原中学校の校舎に秋季の予感を落としていた。

マミ「さて、と。どんな恐ろしい魔女なのか……その面を拝ませてもらうとしましょう」



325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 18:21:51.12 ID:01Y2h2BS0

 コツ―――― コツ――――

靴を鳴らして廊下を進む。

生徒は誰もいない。


……静寂。


マミ(この辺りかしら…………)

体育館の裏、用具室に近いその場所は周囲よりも一層影を濃くして不穏な風を吹かせていた。

 ざわ…………

マミ(……おかしいわ……魔女の気配はするのに結界が見当たらない……)

 ……ガサッ

マミ「!!」



333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 18:35:42.84 ID:01Y2h2BS0

まどか「あっ……え、っと…その……あれ?な、なんで私こんな所にいるんだろ……?」

マミ(鹿目さん…!?)

まどか「ご、ごめんなさい!別に跡をつけてきたわけじゃ……」

マミ「……なぜ鹿目さんが……もしかして美樹さんも……?」

まどか「えっと、その―――ザザッ――――――ザッ――」

マミ「…………」

不自然だった。

挙動はぎこちなく、言動もあやしい。

まどかの身体は夕日に当てられ、心配そうな顔は半分ほど影になって見えない。



336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 18:48:45.90 ID:01Y2h2BS0

マミ「……ここは危ないわ。魔女は私一人に任せて、鹿目さんは早く帰りなさい」

まどか「――――はい……すいません……マミさんのお邪魔しちゃって……ウェヒヒヒ」

じりじりと後ずさるようにマミから遠ざかる様子を見て、マミはあることに気付いた。

マミ「…………待ちなさい」

まどか「ウェヒ……え?な、なんですか……?」

マミ「……あなた、影はどうしたのかしら?」

まどか「か、影……?」

まどかの身体には夕日が強く当てられているのに、その足元、地面に残されるはずの影がまったく無かった。



341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 19:11:04.45 ID:01Y2h2BS0

まどか「あっ」

驚いたような声を出したかと思うと、まどかの表情は徐々に崩れていき、

まどか「……ウェヒ…ウェヒヒヒ、ウェッヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッッ!!!!!!」

目を見開いて、首をカクカクと動かしながら不気味な高笑いを響かせた。

マミ「やっぱり……っ!結界を持たない魔女……」

まどか「ティヒヒッッ!!」

 ブオン!!

マミ「!」チッ

予備動作無し、突然魔女から放たれた正体不明の攻撃をマミはギリギリでかわす。

 ドゴォッ ガラガラ……

まどか「ティヒッ ティヒヒヒッ」カクカクカクカク

まどかの姿をした魔女は辺りの空間を瞬時に歪め、その中心で不敵に笑い続けている。



346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 19:21:03.70 ID:01Y2h2BS0

マミ「くっ……鹿目さんの姿のままこんな魔力を使えるなんて……」

マミは体勢を立て直し、巨大な魔女空間となった学校のグラウンドに降り立った。

魔女と正面から睨み合う――まどかの姿をした魔女と。

マミ「……まるっきり人型の魔女と闘うのは初めてね。ちょっと……というかかなりやりづらいけれど……」

まどか「ウェヒヒヒヒヒヒヒヒ……!!」カクカクカクカクカク

どす黒く渦巻くドーム状の空間、その天井は無秩序に色めいて魔女とマミの頭上にのしかかる。

魔女は壊れたロボットのように身体中の関節をカクカクと動かし、有り得ない方向へと腕や首、足を曲げた。



349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 19:35:42.22 ID:01Y2h2BS0

マミ「…………」フゥ――

マミは深呼吸し、戦闘の体制へと気持ちを切り替えた。

マミ「――ふっ」

ゴアッ!!

まどか「ティヒ――アギィッ!?」

魔女の小さな身体がものすごい音と共に一瞬にして宙を舞った。

放り投げられた人形のようにクルクルと回転し、血のようなものを吐きだしたあと、

間接をぐちゃぐちゃな方向に折り曲げたままピタリ、と空中に静止する。

マミ「……頑丈なのね。これで粉々にならなかったのはあなたくらいよ」

突如にして魔女に襲いかかった攻撃の正体は数百はあろうかというマスケット銃の塊だった。

目でも追えない程のスピードで放たれた無数の銃身はまるで巨大な拳のようにマミから一直線に伸びている。



351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 19:45:56.96 ID:01Y2h2BS0

まどか「…………………ティヒッ!!」 ぐりん

魔女は首を回転させてマミの方へと目を合わせ、

  カッ!!

極太のレーザーのような光がマミに襲いかかる。

マミ「フン!」サッ

 ズアッ!

マミは銃身を重ねて盾を作り、その攻撃を全て受けきる。

ドドドドドドドド…………!!

地震のような地響きが足元を揺るがし、マミと魔女は爆風にあおられた。

まどか「ティヒヒヒヒ!!ティヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!」カクカクカクカク

魔女は楽しそうに笑って再び地面に降り立つ。



353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 19:56:00.32 ID:01Y2h2BS0

マミ「…………」サッ

マミは無言で腕を振った。

数百あったマスケット銃はガチャガチャと生き物のように蠢き、マミの意思のままにある形へと変貌していく。

 ガチャガチャ……

それは翼だった。

30メートルはありそうな鉄の翼が、マミの背中で羽ばたく。

マミ「  ふふ ………… 」

マミは笑っていた。

自分でも驚くほど落ち着いている。



357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 20:07:41.59 ID:01Y2h2BS0

マミの身体はふわりと宙に浮かんだ。

翼をはためかせ、天へと昇っていくその様子は神々しく、どこまでも湧いて尽きることのない力、魔力が
マミの周囲に発散しているよう輝いていた。

まどか「ウェヒヒヒヒヒヒヒヒッ!!」カクカクカク

ピカッ!!

魔女から再び強大な魔力が放たれ、マミへと向かっていく。

マミ「無駄」

ス――

パキィ……ン

まどか「ティヒッ!?」

魔女の攻撃はマミに直撃する寸前で跡片もなく消えた。

ゴゴゴゴゴゴゴ………

浮かんだマミの真下の地面から、数千、数万ものマスケット銃が音も無く出現し、
魔女の攻撃を一瞬にして砕いたのだ。

それはもう銃ではなく、一つの生き物のようにマミの周りを包んでいた。



360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 20:18:34.09 ID:01Y2h2BS0

魔女空間を圧倒的に占めるその鉄の塊はマミの意のままに操られ、波打ちながらその巨大さを誇示する。

まどか「……ウェヒヒヒッ、ウェヒヒヒヒッ!!ティヒヒヒヒッ!!!」

魔女はそれでも不気味な笑みは絶やさず、ガクリと首をもたげたかと思うと、

まどか「ヒイイイイイイイイイイイイイイイッッッ!!」

 ボン!

爆発したような衝撃波を巻き上げてマミへと一直線に突進する。

 バキィッ!!

まどか「ティヒッ!?」

マミ「無駄だと言ったでしょう」ブオン!!

まどか「ウェヒッ!!!」ズガガガガガ!!

魔女はあっけなく鉄の腕に薙ぎ払われ、地面に叩きつけられた。



363:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 20:23:47.84 ID:01Y2h2BS0

マミ「死になさい」

ガキィンッ!!

マミ「!?」

まどか「ウェヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッッ!!」ガガガッ

マミ(な……二人……!?」

マミの遥か下、土埃にまみれている魔女とは別にもう一体の魔女が横から殴りかかってきた。

間一髪、マスケット銃を束ねた盾で防ぐ。



367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 20:34:17.27 ID:01Y2h2BS0

まどか「ウェヒヒッ!ウェヒヒッ!!ウェヒヒヒヒヒッ!!!」グググ…

マミ「…………フンッ!」

ブワッ

へばりつく魔女を力ずくでふるい落とす。

まどか「アギィッ!!アガガガガ……」

コンクリートも容易く砕けるほどのマミの攻撃を受けても、まどかの姿をした魔女は致命傷らしいダメージは受けていない。

ただし、どうやら骨格は不安定なようで、まどかの首は180°回転して後ろを向いていた。

マミ「2体いるということは当然…………」


  『ウェヒヒヒヒヒ……!!』        『ウェヒヒヒヒ!!』
       
             『ティヒヒ………』
『……ティヒッ!!ティヒヒッ!!』              『ウェヒヒッ!!』

                 『……ウェヒヒヒヒヒ!!』



368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 20:35:00.18 ID:h5XksIPJP

悪夢だな



369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 20:36:38.56 ID:xcUlVjYz0

天国じゃね



372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 20:43:02.44 ID:yPRZ6MrC0

見滝原のピンクの悪魔



373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 20:45:03.53 ID:01Y2h2BS0

魔女空間には既に100体近い魔女が不気味に笑ってマミを見ていた。

その全てがまどかの姿をしている。

それでもマミは表情を一切変えることなく、瞳の奥にささやかな喜びを湛えて呟いた。

マミ「フフ……手ごわそうね。面白いわ」

瞬間、マミの周りを強固に囲んでいたマスケット銃がふっと崩れた。

と思うと、

『ギイィヤアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!』

つんざくような叫び声がこだまする。

銃身の一つ一つが散弾銃のようにマミの元から一斉に放たれ、魔女数体に襲いかかったのだ。

音速で駆け抜けるマスケット銃が魔女の身体を削っていく。

 ドドドドドドド……

攻撃はそれだけでは終わらず、まだ息のある魔女目がけて他のマスケット銃が一斉に飛びかかる。

いくつもの銃身が球状に魔女を取り囲み、その銃口はすべて魔女へと向けられている。



375:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 20:52:59.59 ID:01Y2h2BS0

まどか「ウェヒ……」

銀の檻から魔女の声が聞こえてくるが早いか、マミは握りつぶすような感覚をそこに向けた。

グチャッ…という音と共にその銀の檻は魔女を突き刺し、押しつぶし、さらに

ドゴオオオオン!!!

マスケット銃がとどめの砲火を放ち、魔女が居た場所は大きなクレーターだけが残った。



圧倒的だった。

おそらく魔法少女の中では最強とも言える破壊力……それを可能にしたのは
マミのソウルジェムであり、内から湧き出てくる無限とも思しき魔力の泉だった。



379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 21:04:57.29 ID:01Y2h2BS0

  『キヒィィィィィィッ!!!』     ベキベキベキ
メキメキメキ                    『アガァアアアアッッ……!!!』   ドォン!!
       『ティ……ヒ……ヒ……』                          ズズン……
      ブチブチブチッ!!       『ゥゥゥゥゥウウウウウウォオオオオ………!!!』
バキバキ……!!                  グチャ             

             ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・・・・


眼下に蠢く無数の魔女を次々に葬っていく。

辺りは絶叫、絶叫、絶叫…………魔女たちの断末魔の叫びが絶え間なく、あちこちから聞こえてくる。

マミはその美しい音色、神秘的な響きが、まるで讃美歌のように……わたしを讃えるための歌のように思った。

そう、わたしがわたしでいるために……死にゆく姿こそ美しく、わたしを更なる孤独に浸し、自覚させてくれる。

マミは意識を沈めて自分に語りかける。

魔女たちの歌が、わたしの魂の穢れを一点の曇りなく洗い流す。

不思議と感じるのは静寂にも似た旋律……



384:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 21:14:18.81 ID:01Y2h2BS0

マミ「…………あっけないわね」

地面は巨大にえぐられ、ところどころに魔女の残骸が散らかっている。

血のようなものが一帯のあらゆる所にこびりつき、細切れになれなかった魔女たちの四肢や頭、胴体が
もぞもぞ、カクカクと虫のように地を這っていた。

魔女は全滅した。

ス――

数千本のマスケット銃を一瞬にしてしまい込む。



387:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 21:21:41.01 ID:01Y2h2BS0

マミ「ふぅ……」

戦闘態勢を解き、地面に降りようとした、その時――――

パキィン!

マミの頭部に鋭い衝撃。

マミ「っ!?」

首が持っていかれそうになるが、よろめきつつも体勢を立て直した。

マミの死角に居たのは、生き残っていた魔女……鹿目まどかだった。

まどか「ウェヒヒヒヒヒッ」

マミ「くッ!」

マミのソウルジェムに亀裂が走る。

しかしまだ砕けるほどではない……中からドロリとした水飴のような粘液が染みだし、亀裂を補修していた。



391:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 21:34:54.24 ID:01Y2h2BS0

ほむら「ティヒヒヒヒッ!!」

マミ(あれは……鹿目さんじゃない!?)

まどかの姿はいつの間にかほむらとなり、手にした拳銃はマミの頭のソウルジェムへ照準を合わせている。

ほむら「ウェヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!」

ガキィン! ガキィン!!

マミ「あっ…………」

パキィ―――ン………

マミが避けようとする前に、ほむらの攻撃がソウルジェムを完全に砕いた。

マミ「あ…………あ…………あ…………」

目を大きく見開き、驚きの表情のままマミはその場に崩れ落ちた。



394:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 21:46:34.42 ID:01Y2h2BS0

割れた宝石からマミの魂が解き放たれる。

自分の心がばらばらになって地面に溶けていくような奇妙な感覚を――

肉体の隅々に繊細に構築されていた自分の形が泡のように消えてゆく感覚を――

マミはそれを、鏡に映る自分を見るように感じていた。


マミは失われていく感覚のはるか遠く、真っ暗な意識の片隅に、

誰かがうずくまって悲しんでいる姿を見た。




私の名前を呼んでいる―――


私の声を求めている―――



396:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 21:53:12.24 ID:01Y2h2BS0

――ごめんなさい

わたしはあなたを悲しませてしまった

わたしの愛する人たちに……

わたしを愛してくれた人たちに……

何よりも大切な人たちに、償いをするときが来たの

これは、私が魔法少女になってしまったことへの罰


……わたしは逝ってしまうけれど

孤独に生きるしかなかったわたしを、

どうか許して―――



399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 21:56:11.06 ID:01Y2h2BS0

第一部おわり



402:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 22:00:30.87 ID:kFEazDR30

頭がおかしくなってきた



405:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 22:01:44.48 ID:pyjpp+VPi

頭がティロティロするとはまさにこのこと



407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 22:03:25.55 ID:B6ogV7He0




どういうことだ……おい……



413:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 22:13:15.39 ID:Y0r3bvO00

第二部の予定はありますか



414:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 22:14:00.41 ID:01Y2h2BS0

ちょっと補足説明をば

・第一部はマミさんパートだったので杏子もほむらも出てきませんでしたが、ただ機会がなかっただけです。
・ほむらはちゃんとQBの邪魔をしています。
・杏子もちゃんとさやかとヤリあっています。
・マミさんがシャルに食われなかった時間軸だと思っていただければ……

2部はそんなに長くしないつもりです。



416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 22:16:08.32 ID:01Y2h2BS0

◇◆◇◆

――[回想]――鹿目まどか


わたしは、マミさんが死んだ前の日に、ほむらちゃんの家を訊ねていました。

ガチャ

まどか「……ほむらちゃんに……相談したいことがあるの……」

ほむら「…………何かしら」

まどか「マミさん…………最近なんだか様子がおかしくて……私とても心配で……!」

ほむら「…………それを何故わたしに?」

まどか「っ……だって、ほむらちゃんは、その……色々知ってそうだし…」

ほむら「……いいわ。聞きましょう」

そう言ってほむらちゃんは私を部屋に招き入れてくれました。
表情は冷たく、けれども親しみのこもった仕草で……。



421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 22:28:33.16 ID:01Y2h2BS0

わたしはほむらちゃんに、思ったことを全部話しました。

マミさんの様子が、おかしいことを。

わたしがそれに気付いたのは、数日前……あれ?もしかしたら数週間前かも……

とにかく、マミさんが寝不足みたいに目の下にくまを作ってるのを見て、それからでした。

その時のマミさんは珍しくぼんやりとしていて、会話もどこかテンポが悪くて、
心ここにあらず、といった風でした。

確か夜遅くまで街中をパトロールしていたから、と言っていたように思います。

それにしても不思議なのは、マミさんは疲れ切ったように顔色がくすんでいたのに
私の目にはそれがとても美しく見えたことです……まあそれはいいとして……。

それからというもの、たまに会うマミさんは以前とは違って、ふらふらと落ち着きなく
まるで夢の中にいるみたいにボーっとするんです。



424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 22:38:05.82 ID:01Y2h2BS0

いつも傍にいるはずのQBは全然姿を見せません。

最初は、ただ具合が悪かったり疲れてるだけなのかな……とも思いました。

でもそうじゃなかったんです。

そのことを決定的に確信させたのは、マミさんの左中指にはめられた指輪の輝き――



――マミさんのソウルジェムが、真っ黒に染まっていたことなんです。



428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 22:50:48.09 ID:01Y2h2BS0

ほむら「……ソウルジェムが……!?」

ほむらちゃんは私の話の中で、突然驚いたような声を上げました。

ほむら「それで……巴マミは今、どうしているの?」

まどか「分かんない……いつもみたいに魔女を探してパトロールしてるんじゃないかな……」

ほむら「…………」

まどか「……ほむらちゃん。ソウルジェムが濁りきると……どうなっちゃうの?
    マミさん……死んじゃうの?」

私は"死ぬ"という言葉を口にしたとき、自分の声が震えていることに気が付きました。

ほむらちゃんもまた、私の問いかけに唇を強く噛んで、まるで堪え切れない苦しみを口元で必死に押さえているように……

ほむら「わたしには…………分からない……答えられない」

まどか「っ…そんな……!」



433:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 23:03:00.07 ID:01Y2h2BS0

ほむら「でも巴マミの様子がおかしい事と、ソウルジェムが濁っていることに関連性があるとは思えない……。
    ソウルジェムが濁るのは魔法と生命活動による定量的な現象にすぎないはず」

ほむらちゃんは真剣に考えてくれているようでした。

ほむら「……最近、彼女が魔女を倒したとか、グリーフシードを手に入れたという話は聞いたかしら?」

まどか「それは…分かんない。…けどさやかちゃんは、魔女が全然現れなくて使い魔ばっかりだって言ってた……」

ほむら「………この近辺で、魔女が居ないということはないわ」

まどか「え……?」

ほむら「現にわたしも何回か魔女の結界を見かけたわ。わたしは無駄に魔女を狩ることはしないし、
    巴マミの縄張りに影響が出ないように気を使っているつもり……」

ほむらちゃんの射るような目線が、わたしの瞳に映ります。

ほむら「……考えたのは、美樹さやかが巴マミの代わりに魔女を倒しているということだったのだけれど……
    どうやらそういうわけでもないようね」



436:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 23:10:32.58 ID:01Y2h2BS0

まどか「さやかちゃんは……グリーフシードを手に入れなくても大丈夫なの?」

ほむら「美樹さやかのソウルジェムは濁っているのかしら?」

まどか「多分、そんなに……少なくともマミさんほどじゃないと思う……」

ほむら「ならしばらく問題ないわ。そもそも目に見えて黒くなるという事態は滅多にない……」

まどか「やっぱり、マミさんは危険な状態なの?」

ほむら「…………わたしから言えることは、あまり巴マミには近づかないほうがいいということだけ」

まどか「! ……どうして……」



438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 23:19:38.30 ID:01Y2h2BS0

ほむらちゃんはきっぱりと言い放つと、一瞬悲しそうな目をして、それから席を立ちました。

ほむら「……力になれなくてごめんなさい。時間になってしまったわ」

まどか「ま、待って!どこに行くの…!?」

私が呼びかけると、ほむらちゃんは背を向けたまま答えました。

ほむら「……この数日で一般人が無差別に殺される事件が多発しているの。
    おそらく魔女の仕業……今まで巴マミたちが倒すと思って見過ごしてきたけれど、
    被害が拡大している現状では私も動かざるを得ない」

まどか「闘うの……?」

ほむら「…………そんな悲しい顔をしないで、まどか……私は闘わなければならない理由がある。
    私のために……そしてあなたのためにも」

まどか「え…………?」

ほむら「……さようなら」ギィ――


バタン……



439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 23:29:25.39 ID:01Y2h2BS0

ほむらちゃんは私を残して行ってしまいました。

私の胸に広がるのは不安、イヤな予感だけでした。



そして、そのイヤな予感は、最悪の形で現実のものとなったのです。



443:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 23:41:34.99 ID:01Y2h2BS0

――次の日。

私はマミさんに、例の無差別殺人事件のことを話しました。

どうやらマミさんはニュースになっているのも知らなかったみたいです。

マミさんは何やらブツブツと独り言を言うと、血の気の薄れた唇を小さく動かして、
「そんなことが……」と驚いたような口調で言いました。

その目は、まったく私たちを見ていませんでした。

頬は痩せこけ、瞳は灰色の膜がかかったように濁り、顔は青ざめていて、あの美しかった金髪の巻き髪は
ちぐはぐにバランスを失って垂れていました。

ほとんど病人でした。

マミ「で…も……私が……私が居る限りそんな事件は起こらない……起きるはずがない…………
   私が魔女を倒すの……私が……私が…………嘘…嘘……夢なんだわ…………全部夢……」

口元まで耳を寄せないと聞こえないくらい小さな声で、マミさんは絶えず独り言を呟いていました。



446:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/14(日) 23:50:41.35 ID:01Y2h2BS0

さやか「マミさん……そうですよ!マミさんが居る限りそんな一般人が大勢被害にあうなんてこと、
     そうそうありませんって!」

マミ「……そう……よね…………魔女は私が……私が倒すんだもの……引き千切って……粉々にして……
   潰して……えぐり出して……殺す……殺す……殺す……殺す……」

私にはマミさんが何を呟いているのかよく聞き取れませんでしたが、うつむき加減に丸めているその背中から、
異常と思えるほど殺気立った熱が発しているのを感じました。

まどか「……魔女じゃなくて、ただの通り魔ってことは……」

マミ「魔女よ……魔女の仕業だわそうに決まってる……魔女を倒すのは私……私……」



449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:05:10.20 ID:U3FLrPMV0

まどか「マミさん……まさか魔女を倒しに行くんですか……?そんなボロボロの身体で……」

さやか「……それにソウルジェムだってこんなに濁ってるし、無茶しないでくださいよ……。
    それにまだ魔女の仕業って決まったわけじゃないですし、もっとよく調べてみないと……」

マミ「…………!!」

ソウルジェムという言葉を聞くと、マミさんの表情は一変しました。
信じられないくらい顔を歪めて、血を流すほど唇をかみしめて私たちを見たのです。

もはや別人でした。

マミ「何を……っ!?何が……分からない…ソウルジェム……ああ……魔女……殺さないと……早く!!
   美樹さん!!私のソウルジェムが……何だっていうのッ!?ねえ美樹さんッ!!」

物凄い剣幕で怒鳴り始めたので、さやかちゃんはビクッと驚いて、怯えていました。

マミ「はーっ!はーっ!……美樹さん……鹿目さんも!!……これはあなたたちには関係ないわ……ッ
   魔女は私が倒す!!ゼッタイに手を出すなッ!!!」

明らかにマミさんは狂っていました。

もう私たちの知るマミさんではなくなっていたのです。

私とさやかちゃんを大声で怒鳴りつけたあと、マミさんは走って行ってしまいました。



453:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:13:11.40 ID:U3FLrPMV0

私は、マミさんが豹変してしまったことに恐怖したわけではなく、ただただ心配だったのです。

汚れた頭髪を振り乱しながら息を荒くして、野獣のように本能をむき出しにしていたマミさんが……
こう言うのもアレですが、やはり私には美しく見えていました。

優しさなんて欠片もなく……大人びた雰囲気は失われて……精神病のように意味不明な言動を繰り返す、
かつて尊敬していた憧れの先輩の面影なんて何一つ残っていません。

けれども私は、そこに居る巴マミという人が、紛れもない私にとってのマミさんで……

私の胸の内側には、まったく変わらないマミさんの存在が、揺るぎない美しさの象徴として
きらきらと光を保って屹立していたのです。


私は、マミさんを救わないといけないと思いました。


その日の放課後、私がマミさんの後をついていったのは、その決心のためでした。



454:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:17:21.71 ID:U3FLrPMV0

・・・・・


マミ「――フ…………フフフ…………」

校舎の裏でマミさんを見つけた時、マミさんは不敵な笑みを浮かべてこちらを見ました。

……いえ、正確には影になっていて何も見えなかったのですが……とにかく私は恐る恐るマミさんに近寄ったのです。

マミ「鹿目……さん……何しに来たのかしら……?手を出すなって……行ったでしょ?」

暗闇に目を細めると、マミさんは赤ん坊のように小さく丸まって地面を這っていました。

その目はギラギラと光り、指をモゾモゾと動かして、ひゅうひゅうと息を吐きながら…………。



455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:22:25.41 ID:U3FLrPMV0

まどか「マミ……さん……?そんなところで……何を……」

マミ「フ……ウフフ…っ………アハハハ……アハハハハハハハハハハハハ!!!」

まどか「!」ビクッ

マミ「アハハハハフフフヘヘヘヘヘヘヘ…………ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」

まどか「マミさ……」

マミ「あきゃあっ!!!!」ブオン!!

まどか「きゃっ!?」

マミさんが突然何かを振り回し、あやうく私の頬をかすめて飛んで行きました。



461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:30:48.42 ID:U3FLrPMV0

まどか「マミさん……!何をして……」

ほむら「危ないっ!!」ひしっ

ゴアッ!!

まどか「あああっ!?」

私の居た場所が大きくへこみました。

とっさに私を抱えて助けてくれたのはほむらちゃん…………それからさやかちゃんも居ました。

さやか「大丈夫!?まどか!」

まどか「さ、さやかちゃんにほむらちゃん………?」

ほむら「まどか…………巴マミから離れて……逃げなさい!」



464:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:38:15.50 ID:U3FLrPMV0

マミ「……………」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

杏子「あれが巴マミかよ……こんなヤツだったっけか?」

まどか「杏子ちゃんまで……!?みんな一体……!?」

QB「マミの暴走を察知して僕とさやかが皆を集めたんだ」

まどか「QB……どういうこと!?」

ほむら「…………無差別連続殺人事件の犯人は魔女ではなく――――巴マミの仕業だったの」

まどか「え!?」



468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:47:12.98 ID:U3FLrPMV0

マミ「………………」スッ

 ピカッ!

ほむらちゃんの言葉を頭の中で理解しようとする前に、マミさんの身体が光りました。

私がそれに反応するよりも速く、横にいたさやかちゃんの首から上が消えました。

杏子「…………は?」

さやか「――――――」ブシュウウウウウウウウウウ……

私に生温かい何かが降りそそぎました。

頭を失ったさやかちゃんは仰向けにバタンと倒れ、おびただしい血を首の切断面から噴出しながら、

身体中を痙攣させて暴れまわっていました。

 ビクンッ ビクンッ ビクンッ ………

 ブシャアアアアアアアア………



469:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:48:48.94 ID:dhjXqXvFO

さやかぁぁぁぁぁあああ!



474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:52:05.00 ID:U3FLrPMV0

杏子「おいさやかッ!!!おいッ!!!!」

無言のまま辺りに血をまき散らし、胴体を激しく地面に叩きつけて苦しみもがきます。

ソウルジェムは無事なので、なまじ死ぬことができずに、目も背けたくなるような地獄の光景が広がりました。

ほむら「な…………まったく見えなかった……!?」

マミさんはゆらり…ゆらりと私たちの方に歩いてきます。
その背中には禍々しい鋼鉄の翼を生やして……さやかちゃんの首を瞬時に吹き飛ばしたいくつものマスケット銃を
かちゃかちゃと操りながら、まるで悪魔のように私たちに迫ります。



478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 00:56:22.04 ID:U3FLrPMV0

ほむら「まどかっ!!逃げてっ!!」

まどか「ほむらちゃ……」

 ビシャッ

ほむらちゃんは私を守るように覆いかぶさった瞬間、私の顔にまたもや温い液体が飛んできました。

ほむら「あ……がぁッ……まどかあっ!!早く!!」

ほむらちゃんの脇腹の肉が綺麗にえぐられ、そこだけぽっかりとなくなっていました。



483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:02:08.49 ID:U3FLrPMV0

杏子「てめぇッッ!!!!」

ガキィン!!

マミ「……………」

ドゴォッ!!

杏子「な…………!?」

私はほむらちゃんの脇腹に空いた穴から、私はマミさんと杏子ちゃんが衝突する所を見ました。

マミさんがどこからともなく数百、数千のマスケット銃を取りだし、杏子ちゃんの攻撃を全て弾き飛ばしたのです。

マミさんの身体はふわりと浮き、神々しいまでに光り輝いて私たちを見降ろしていました。

その表情は――その顔の部分だけが真っ白に塗りつぶされて光って、何も分かりません。

誰もいない校舎の裏で、轟音を響かせながらマミさんは圧倒的な力で私たちの前に立ちふさがります。



486:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:06:00.07 ID:U3FLrPMV0

まどか「QB、これはどういうことなの……っ!?」

QB「……僕にも分からない。ただ、あそこに居るのは魔法少女の巴マミということは確かだ。
   それでもマミがあれほどの魔力を持つなんて有り得ない……」

ほむら「くっ!」シュン

まどか「ほむらちゃん!?」

ほむらちゃんが応戦しに向かいます。

私はグラウンドの外れに逃げ込み、ますます巨大化していくマミさんの鉄の塊、鉄の巨人が暴れまわるのを
ただただ見ていました。

杏子ちゃんとほむらちゃんが必死にマミさんに攻撃を加えようとしていても、全く隙のない鉄の盾、鉄の咆哮の前には
かすり傷一つ負わせることができません。

鉄の巨人の中心でリボンに巻かれ、グラウンドや学校をも破壊しつくして暴れるマミさんは、やはり美しく感じます。

けれども私にはどうすることも出来ません。

マミさんを救うことも……

ほむらちゃんたちと一緒に戦うことも……



488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:10:31.44 ID:U3FLrPMV0

QB「…………このままじゃ暁美ほむらも佐倉杏子も、もろともやられてしまう」

まどか「………そんな………!!」

QB「でもたったひとつ、この状況を覆すことができる方法がある……」

まどか「……私が契約して……………魔法少女になれば………」

QB「そうだ。さあ、早くしないとみんな死んでしまう。僕と契約するんだ!」

まどか「………わたし…」

 ビュン!!

ぐちゃっ、というイヤな音がして、QBが消えました。

数秒遅れて地面を見ると、水風船を落としたような赤いシミと、細切れになった
白い皮のようなものが広く散らかっているのが見えました。

まどか「ひっ…………」



491:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:15:19.64 ID:U3FLrPMV0

突然目の前に現れたのは、黄色いリボンとマスケット銃を無数に纏ったマミさんでした。

マミ「…………………………」

まどか「いや……いやっ……!」

私は恐ろしくなりました。

マミさんの顔の部分だけが白い光に塗りつぶされているのです。

その不気味な姿が、ゆっくりと、しかしとても力強く私の方へ向かって歩いて来るのです。

ほむら「まどかぁ……っ! 逃げてぇぇ………!!」

マミさんの背後には、四肢を切断された杏子ちゃんとほむらちゃんが横たわっていました。



492:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:16:20.65 ID:0rzw0kHP0

マミさん.......



495:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:23:25.22 ID:U3FLrPMV0

まどか「マミさん……っ……わたしだよ!鹿目まどかだよっ!!忘れちゃったの……?」

マミ「…………………………」

マミさんは私のすぐ傍に立つと、そっ…と手を伸ばしました。

まどか「っ!」

怯えて思わず目をつぶってしまいます。

 ス……

まどか「………?」

感じたのは、私の頬にさらさらと触れる暖かな手のひらでした。

まどか「マミ…………さん…………?」

穏やかな心が、そこにはありました。

マミ「……………………」

 ズズズ……

マミさんの顔にある、何もない空間が――どこまでも白く続いている世界が、
私に口付けしようと迫ります。

まるで神聖な儀式のように――



496:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:24:08.20 ID:CP/dLM2D0

ドグラ・マグラかとおもた

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041366038/2logelephant-22/ref=nosim/



501:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:32:20.88 ID:U3FLrPMV0

 バギュン!

まどか「!!」

マミさんの頭に何かが命中して、ぐらりと傾きました。

マミ「………………!」

マミさんが振り向くよりも速く、続けざまに一発、二発と命中します。

 ガキィン! ガキィン!

マミ「………………ぁ……」スッ

マミさんはその場に崩れ落ちました。

周りにあった銃やリボンはすべて消え、マミさんの変身も解かれました。

まどか「マミさん……? …マミさんっ!!」

ぐにゃりと地面に寝ているマミさんの目は既に死んでいました。

まどか「マミさん!マミさん!どうして……どうして……っ!」



507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:42:22.86 ID:U3FLrPMV0

私は大粒の涙を流してマミさんの死体を抱きかかえました。

あの優しかったぬくもりは、もう冷たいただの物体になって……


ほむら「ぐっ………ぅぅ…………まどか……」ズル…ズル…

ハッと顔を上げると、ほむらちゃんがズタズタになった腕を無理矢理魔力でくっつけて、
プルプルと震えながら拳銃を握っている姿が見えました。

ほむら「こうするしか…………なかったの………許してまどか……」

まどか「…………ありがとう……ほむらちゃん」


……私は、自分が何故悲しんでいるのか分かりませんでした。

さやかちゃんや杏子ちゃん、ほむらちゃんを殺そうとして……

罪のない一般人をも殺してしまったマミさんに対して、私は心の底から悲しんで、涙を流すのです。

色を失ったマミさんの頬に、私の雫がぽとり…と垂れます。

何故でしょう……。
私はマミさんの名前を呼び続けるのです……いつまでも。



509:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:47:02.47 ID:4tpEYkD00

みんながデブデブ言うから・・・



511:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:48:32.69 ID:U3FLrPMV0

――――マミさんは死にました。

色々なものを道連れにして……まるで一人孤独に死ぬことを恐れていたかのように。


……でも最後、わたしに見せたあれは何……?

美しさでもなく……優しさでもなく……マミさんがそっと手を伸ばしてくれた、

あの行為の意味……


マミさんはあのとき、何を想っていたのでしょう。

私は……マミさんを救うことができたのでしょうか。




……その答えは、分からないままです。



514:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:54:34.35 ID:U3FLrPMV0

◆◇◆◇

――暁美ほむら、その後

ほむら「……さてQB、説明してもらえるかしら」

QB「……僕にも分からない。魔法少女がああいう結末を迎えるなんて経験したことがない」

ほむら「その言葉、信じていいのかしら?」

QB「それは君の判断に委ねるよ。とにかくその物騒なモノをしまってくれないかい?」

ほむら「…………」カチャ…

ほむらはQBに向けていた拳銃を下ろした。

QB「ふぅ……それでマミのことだけれど、実は数週間前から僕を部屋から追い出すようになったんだ」

ほむら「……? なぜ……」



515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 01:58:27.70 ID:U3FLrPMV0

QB「マミはその頃からブツブツと独り言が多くなって、部屋にいるときはずっと死んだように
  ぼうっとしていた。以前のマミなら考えられないくらい無気力そのものだった」

ほむら「……それが今回の事件の前兆だったわけね」

QB「追い出されてからというもの、僕はそれ以降のマミの様子をまったく知らないんだ。
  どうしてああなってしまったのか……訳が分からないよ」

ほむら「…………暴走した巴マミは、普通の魔法少女とは比べ物にならないくらい
    膨大な魔力を使いこなしていた。その理由も心当たりはないの?」

QB「……………………」

QBは珍しく黙り込んだ。

ほむら「……何か知っているのね」

QB「……これは憶測だけれど…………」

ほむらの方をまっすぐ向いて語りだす。



518:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:02:47.45 ID:+m2EbG/50

つーか、さやかはどうなったんだよ



520:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:05:21.88 ID:U3FLrPMV0

QB「マミは、魔女に操られていたんじゃないかと思う」

ほむら「………!」

衝撃的な言葉、QBの自信のなさそうな口ぶりに、ほむらの心もざわつく。

ほむら「詳しく聞かせなさい」

QB「……おそらくだけど……マミのソウルジェムに魔女が侵入し、マミの精神に影響を及ぼした……。
  魔女はマミの魔力を餌にして、寄生していた……と仮定すればの話だけど」

ほむら「魔女がソウルジェムに寄生……!?そんなことが有り得るの!?」



526:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:10:52.96 ID:U3FLrPMV0

QB「確信はないよ。ただ、見滝原の魔女はほむらでもさやかでもなく、マミが倒していたんだろう?」

ほむら「……巴マミの縄張りだもの……当然じゃない?」

QB「それでもマミのソウルジェムの輝きは濁ったままだった。
  グリーフシードをどこかに溜めこんでいる訳でもなかった」

QB「おそらくグリーフシードはそのまま魔女の魔力となって吸収されたと考えることができる」

ほむら「ということは巴マミは魔女を倒せば倒すほど侵食されていったということ……!?」

QB「憶測だけどね。それに一般人を殺したのも、魔女が絶望を欲してマミの精神を犯し、
   まるで一般人が使い魔に見えるような幻覚を与えたのかもしれない」

QB「魔女に精神を犯されてマミは狂ってしまった……そう考えるのが一番納得がいく。
   そんな魔女がいればの話だけど」

ほむら「……巴マミは自分で気付かなかったの……!?
    そんな……知らない間に狂ってしまうなんて……あまりにも惨いわ……!」



530:もうあと数レスだよ:2011/08/15(月) 02:15:09.66 ID:U3FLrPMV0

QB「…………ほむらは、ソウルジェムという物体が意味することが何か、知っているかい?」

QBが突然訊ねた。

ほむら「…………なに……?」

QB「人間の精神は肉体によって支配されているんだ。もちろん一方的な支配ばかりではないけれど、
  生命の構造は物体的な肉体と観念的な魂の両方のバランスで保たれている。
  精神というのは物体と観念の中間をさまよって存在しているんだ」

ほむら「……それがどうしたというの?」

QB「ソウルジェムはヒトの魂を具象化したものだ。魔力という概念を現象として扱うためには、
  その源となる魂を物体にする必要がある。
  ただし、それによって生命の構造が逆転するという事態も引き起こしてしまうんだ」

ほむら「構造が逆転する……? どういうこと……?」



531:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:16:54.56 ID:4J2SAZ3O0

あと数レスなら起きて見届けさせてもらおう
最後まで頑張って下され



533:もうあと数レスだよ:2011/08/15(月) 02:18:00.08 ID:U3FLrPMV0

QB「魔法少女の肉体が、精神に支配されるようになってしまうんだ。
  魂が具象化したことで肉体と精神の序列が変わり、肉体は抽象的な実体となる」


QB「肉体の損傷、劣化によってヒトが死ぬなら、魔法少女は精神の損傷、劣化によって死ぬ。
  そして精神や魂は時間経過による劣化はしないんだ」


QB「人間という存在は時と共に朽ちてしまう肉体に支配されている。
  けれど魔法少女は肉体なんてまったく関係ないんだ。
  ……時の流れに影響されない、魔法という名の精神によって支配されているからね」
  



QB「――つまり、君たちの存在は永遠に止まったままなんだ」



534:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:20:29.51 ID:U3FLrPMV0

ほむら「……………だからなんだと言うの?」

ほむらは不機嫌そうに言った。

QB「…………もしかしたら魔女のせいだけじゃないかもしれない、ってことさ」

ほむら「?」

QB「マミが魔法少女の宿命、運命に耐えきれず自ら破滅の道を突き進んだ可能性も否定できない。
  ……今回の事件はマミが抱える苦悩が――――いや、もしかしたら魔法少女なら誰でも起こり得ることなのかもしれない」

QB「……そう思っただけさ」

ほむら「……………そう。ためになる話をどうもありがとう、キュゥべえ」

ほむらは皮肉めいた言い方をすると、長い髪をなびかせて立ち去ろうとする。

QB「…………行くのかい?」

ほむら「ええ。巴マミが死ぬことは想定済み……あなたが何も知らないというのなら
    もう用はないわ。その下らない妄想と一緒に金輪際まどかには近寄らないで頂戴」

ほむらは吐き捨てるように言うと、ツカツカと歩いて暗闇に紛れこんでいった。



536:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:22:54.33 ID:U3FLrPMV0





ほむら(……巴マミ……あなたはまどかの先輩として、私の先輩として……あんなに誇りに溢れていたのに)

夜、ほむらは眠りにつく前にベッドの上でマミのことを想った。

ほむら(……あなたを苦しめたものは……一体なんだったの……?)


ほむら(…………眠い……)


……―――


――――


――



537:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:25:01.67 ID:U3FLrPMV0




            ――…………ギギ………ギギギッ……ギリギリギリ……





おしまい



540:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:26:27.80 ID:4tpEYkD00

なんてこった・・・




541:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:27:10.61 ID:PiQTsMEK0

乙なんだよ!



546:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:28:59.90 ID:U3FLrPMV0

どうもここまで読んで下さった方はありがとうございます。

さやかちゃんも杏子もソウルジェムは無事なので死んでません。
痛みも感じないと思うので、多分二人ともピンピンだと思います。


自分で書いてて思ったのは、すごく分かりづらいなということでした。
色々と説明不足な点が多いですが、自分がこのSSで言いたかったことはただひとつ、

マミさんは独りじゃないよ

ってことだけです。



550:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:33:12.08 ID:rIOiXyaX0

すごい面白かった!
乙です。



551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:45:50.65 ID:U3FLrPMV0

ちなみにマミさんは"孤独"を魔法少女の宿命と捉えてそれを克服しました。
これは別にマミさんに限った話ではなく、他の魔法少女も肉体的には死なないという点で孤独だと思うんですよね
ちょっと分かりづらいですが、人間は本質的に孤独であるって適当なこと言ってましたけど、少なくとも孤独そのものではないよと。
逆に魔法少女は孤独そのものなんで、人間より苦悩のレベルがグレードアップしてるわー私まじ孤独だわーって所から始まって、
でも私の存在自体が孤独なら別にひとりぼっちじゃなくね?
生まれた時から世界に私一人しかいなかったら孤独なんて感じなんじゃね?みたいな感じでマミさんは一人で納得したわけです



556:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:55:08.72 ID:8qfxL2aiO

乙なんだよ



560:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 02:59:05.86 ID:U3FLrPMV0

本当に魔女に寄生されていたのか、それとも魔法少女としての苦しみがそういう気狂いを引き起こしたのかはあえてぼかしてます。
まあ普通に考えたら十中八九魔女の仕業だと思いますが……自分もよく分かりません(汗

ぶっちゃけ細かいところは何も考えていないのでほとんどノリです。
ただソウルジェムに関する考察はあらかじめ結構考えていたので、まあ一つの解釈だと思ってくれれば……公式設定もあまりないですし。

もっとね、自分の魂に関心を持つべきだよあの子たちは。



564:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/15(月) 03:33:23.09 ID:o2R5do6VO

解説gj
中学生には魂?って感じかもね



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         コメント一覧 (42)

          • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 13:06
          • 4 さやかちゃん可愛いかったな
          • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 13:31
          • 飯食いながら見るんじゃなかった・・・
          • 3.
          • 2011年08月15日 13:36
          • >管理人氏
            一応【グロ注意】はつけておいたほうが良いのではなかろうか
          • 4. 名無し
          • 2011年08月15日 13:59
          • んーもうちょい描写と、説明が本文にあっていいと思った俺。
            孤独うんぬんの解釈が作者の脳内だけで完結してる感があるけど、乙。
            とりあえずグロい。
          • 5. 、
          • 2011年08月15日 14:19
          • 閲覧注意くらい付けとけよ
          • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 14:23
          • なんかよくわからんかったなー


            閲覧注意厨はどこからわいてくるんだよ
            で、閲覧注意をつけると、どこが閲覧注意なの?厨が現れると…
            てか>>1を見ればだいたい内容わかるだろ 
          • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 14:28
          • ラストはマミに寄生していた魔女が今度はほむらに寄生したって事で
            この時間軸は終了したか…あれ?ほむらが発狂終了したらループでき(ry
          • 8. あ
          • 2011年08月15日 16:03
          • 何でも厨をつければ、らしく聞こえると思ってるやつが多いよなw

            キャラ分析を記号に頼るやつが、こういうSSを書きたがる

            ※記号…ぼっち、おっぱい、厨二病、姉属性など
          • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 16:19
          • スレタイの時点ではなるべく平等であるように【閲覧注意】や記事分割(スレタイに【前編】【後編】)はなるべくしない
            って管理人がどっかで言ってたぞ

            例えば
            【閲覧注意】……そういう内容か読まないでおこう(内容を見ずに判断)
            【前編】【後編】……そんな長いのか読まないでおこう(内容を見ずに判断)

            こういうのをなくしたいとかそんな感じのこと言ってた覚えがある
          • 10. 名無し
          • 2011年08月15日 17:20
          • でも閲覧注意って書いてあると読みたくなるよな、後悔したりするけど

            自己責任って書くのはどうでしょう
            あんまり変わんないか
          • 11. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 17:25
          • 別のサイトなんかでは「マジキチ注意」なんかもあるよな
            とはいえ、このSSはマジキチって感じでもないし…
          • 12. 名無し
          • 2011年08月15日 17:47
          • どのSSにしても閲覧は自己責任でしょ

            スレタイでどういう内容かだいたい見当はつく
            脊髄反射でクリックして「閲覧注意って書いとけ」と言っても仕方がない
            URLを確認せずにブラクラ踏んでしまうようなものだ
          • 13. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 17:54
          • ※8が何言ってるかよく分かんない
          • 14. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 19:06
          • 1 管理人さん、閲覧注意つけてほしいです^^;
          • 15. あ
          • 2011年08月15日 19:09
          • >平等であるように

            なるほど、つまり読んでムカついたら※欄で批判しても構わないのだな
          • 16. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 20:26
          • >15

            いやそのりくつはおかしい
          • 17.  
          • 2011年08月15日 20:46
          • 冒頭がグロだが後半はそうでもないから、読後感はそう悪くないんだよな
            けいおん拷問は本当にヒドいから【グロ注意】ついてたけど
          • 18. ネーム
          • 2011年08月15日 22:32
          • 4 話の流れをぶった切ってすまんが、
            私ですのAAに全部持ってかれたwww
          • 19. ・
          • 2011年08月15日 23:34
          • たとえ一部でもグロい表現があるなら、閲覧注意は付けるべき。
            実際グロいの苦手な俺は、最初のまどかの足が引きちぎれるところで気持ち悪くなった。
            ましてや、このタイトルじゃあグロネタかは判別しにくいから、わからない人がどんどん引っ掛かるぞ。
          • 20. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月15日 23:40
          • グロが苦手な人がいれば百合が苦手な人もいる
            安価が嫌いな人もいればクロス物が苦手な人もいる
            何がマジョリティで何がマイノリティかもわからん

            グロ注意、百合注意、安価注意、クロス物注意…

            言い出したらきりがないよ
          • 21. あ
          • 2011年08月16日 00:19
          • 怖かったけど面白かった!
            ニーアのサントラ聞きながら読むんじゃなかったけど
          • 22. もてき
          • 2011年08月16日 00:53
          • まあエロ注意ってかいてあったら絶対見るけどなwwww
          • 23. ななし
          • 2011年08月16日 04:08
          • まぁ自分で注意するこったな
          • 24. 名無し
          • 2011年08月16日 04:54
          • マミさんはいいように狂わされて、殺人鬼にされ、大切にしていた後輩に笑いながら襲い掛かり、最後には本人が嫌っていた魔女になっていた上に殺される
            本編よりもひでー目にあった訳だな

            マミさんはいっつもこんなんだな…
          • 25. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月16日 07:22
          • 1 「マミさんはいつもおかしかったですね」ってスレかと思ったのに…
          • 26. あ
          • 2011年08月16日 08:29
          • 結論:書くやつが悪い

            それより、昨日から表示が変わったりして見づらいんですけど…

            ここに限った話じゃないが
          • 27. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月16日 11:03
          • 原作からしてグロかったり鬱な展開だったから、
            まどマギに関してはそこまで目くじら立てなくてもいいんじゃない?
            もっとも、その反動で全体的にほのぼのSS多めになってる傾向があるから、
            油断してると痛い目にあいそうだけどw
          • 28. 名無し
          • 2011年08月16日 11:05
          • みんながマミさんのことぼっちとか言って馬鹿にしてるからこんなSSが書かれるんだよ
            でもこれでマミさんはぼっちじゃないってことが証明されたな
            まあ救われなかったことには変わりないけど…
          • 29. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月16日 11:14
          • ※20が真理かな
            言い出したらきりがないしSS読むのは全部自己責任だよ
          • 30.  
          • 2011年08月19日 16:34
          • そんなに嫌ならコメント見てから読めば?
            ネタバレは意外と少ないし
            グロかどうかはお前らと同族の反応でわかるだろ?
          • 31. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年08月30日 06:59
          • マミさん好きだけどこういう話も好きだよ
            馬鹿にして書いたわけじゃないってのがわかるから
          • 32. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2011年09月16日 13:08
          • 最後だけ読んだ
            意外にも綺麗に終われてた
            大抵、こういうグロ系は文才無い奴がグロや鬱で誤魔化して最後グダグダになるパターンが多い。
          • 33. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年01月05日 03:05
          • 私ですがオチでよかった
          • 34. 混沌の魔王、その性質は絶望。
          • 2013年01月21日 18:13
          • >痛みも感じていないと思うので多分二人共ピンピンだと思います                              魔力で再生させた後ならそうだろうな、再生させるまでは、、、。                              変身していない状態では痛みは軽減されず100%の痛みを感じるのでさやかは暫くの間                    首を切断された痛みを感じたままもがき苦しんでいた事になる                                頭から体が生えるのか、或いは体から頭が生えるのかは解らないがね。(笑
          • 35. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2013年01月30日 02:59
          • 感情は深いな…
          • 36. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年01月07日 01:00
          • 4 コメント12、20に同意かな
            自己責任だし、まあグロ有りとかあったら助かるけどね
            怖いもの見たさで読んでしまったが「わたしです」と「みんながデブデブ言うから」みたいなレスで笑う余裕はあった
            ただおほむですらループを耐えてるのに豆腐メンタル感は原作のそれを超えてる感じだね
            実際自分が体験しないと(まあ無理だが)何とも言えないけどねえ
            あとソウより怖いな、ねじ切るなんて中国の昔の残虐刑認定されたやつ並みですわ
            キチガイの視点っていうのは正常なんだよね
          • 37. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年01月07日 01:04
          • エヴァあたりにも精神乗っ取る奴いたよなあ
            精神がメインの奴(いわゆる妖怪だの神だの、魔法少女もだな)に精神汚染は大敵だなあ


            ただ魔力UPは多分ゾンビが強いのと同じで制御をしなくなってるからだと思う
            魔女化した方がまだマシやもしれんけど・・・最後おほむもアウトだったんかな
          • 38. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年01月28日 13:47
          • 引っ張っても皮はかなり延びるだろ、先ず関節が外れて腱が切れてそれからだ。
          • 39. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年01月28日 13:49
          • 予めミシン目に切れ込み入れてたの?
          • 40. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年01月28日 13:58
          • 夢だったのか、潰れ方とが質感とかおかしすぎてあまりにも描写にリアリティが無いから変だと思った
          • 41. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2014年08月23日 00:03
          • これは素直に面白かったな
            グロが嫌な人は1レス目で引き返せばいいのになんでわざわざ読み進めたんだ?
          • 42. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
          • 2017年10月31日 02:54
          • チラシ裏

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